魔女 所で、今日はなんでわしの所へ来たんだい?
精霊3 ああ、それは…
ミユ 川の流れが止まって、それでカカオ村でカカオ豆が育たなくなっちゃったんです。それ
で…。
魔女 なるほど、その話は聞いておる。
ミユ なんで、山道の門を閉めたんですか?
魔女 それはじゃな。…その前にあの山の頂上に城が建っているのを知っているかな?
ミユ はい。知ってます。カカオ村で聞きました。
魔女 じゃあ、今は廃墟になっている城じゃが、昔は栄えておってこのあたりを治めていたと
いうのはご存知かな?
ミユ それも聞きました。
魔女 それでは、水源がどのようになっているか?
ミユ それは聞いてません。
精霊3 …モグモグ…僕、知ってますよ。モグモグ。
ミユ え!?あんた知ってたの?
精霊3 モグモグ。(うん。)
ミユ なんで今まで黙ってたのよ。
精霊3 だって聞かなかったじゃん。
ミユ 知ってるのを知ってないと、聞けるものも聞けないじゃない!
精霊3 え?
ミユ …聞けないでしょ。知らないと。
精霊3 あ、そっか。やっぱり、話し合いは必要ですね。(カレーを食べる。)
魔女 じゃあ、わしが教えて上げよう。
ミユ はい。
魔女 あの水源はあの城の主が管理しておった。いや、正確には主のやとった巨人の夫婦が管
理を任されておったのだが…。
精霊3 ダムみたいなもんさ。(もぐもぐ)
ミユ ダム。
魔女 そう。正にダムじゃな。日照りに備えて水を貯めておいて、貯水量を一定に保つのが、
巨人の夫婦の仕事じゃった。城が廃墟になってからも、夫婦はその仕事を続けてくれて
おったのじゃが…。
ミユ じゃあ、なんで水が止まってるんですか?
精霊3 川の水が意図的に止められる時がある。
ミユ え?
精霊3 それは城が攻められ、篭城する時さ。残酷な話だけど、下流の町を断ち切って城を守る
んだ。
ミユ そんな、ひどい。
魔女 確かに酷な話じゃが、いま問題なのはなぜ城が廃れた今、水が止められたかということ
じゃ。
精霊3 もう、攻めてくる国も攻められる国もないからねえ。
ミユ なぜ、山道を閉めるんですか?直接、水源を見に行けばいいのに。
魔女 山道を閉めるのには2つの理由がある。一つは篭城中に水源を敵に抑えられないように
するためじゃ。
ミユ でも、それはお城が廃れちゃって…。
魔女 もう一つは我々を守るためだ。
ミユ え?