(円板を走査する際は、注目点を中心から外側に向かって進めていく、中心からの角度が0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度の場合は1画素づつ進んでいくことになる。それ以外の角度は画素の進み方が少し複雑になるので、これからの説明は中心から0度のライン調べていることにして説明をする。)
Ⅱ-3-6 近傍八点の平均
注目する点の周囲はある程度同じ色が集まっているとし、注目する点の色情報は近傍八点と自分を含めた九点の平均とする。そうすることでノイズの影響を緩和することが出来る。
Ⅱ-3-② 近傍八点の分散・標準偏差・変動係数
近傍八点の分散を求める。分散とはデータ(この場合は色情報)のばらつきを表す。ノイズが含まれるところは分散が高くなる。
円板画像の縞模様は、縞と見える状態であるならば最低1の幅を持っていることになる。中心から近傍八点の分散を調べていくと縞模様の入脱時に分散が高くなる。脱の時を拾えば年輪界の検出が出来るはずである。
分散から標準偏差を求め、それから変動係数を求めた。変動係数を求めた理由は分散の場合、扱っているデータが大きいほど数値が大きくなるためである。つまり、数値としての分散を見ると色合いが明るい辺材部の方が非常に大きくなる。心材と辺材部を同じ尺度で取り扱うために変動係数まで導いたが、心材と辺材を一義的に扱うことは困難であった。それをカバーする検出方法を考えた。検出方法は後に詳しく説明する。
変動係数も濃度と同様に差で判別するのだが、濃度を用いた場合と比べて年輪界のグラデーションに対する影響が少ない。これは分散、変動係数が数値的に年輪界の特徴を良く表すことが出来るためだと考えられる。数値の法則性を見つけると数値の並びをみるだけで年輪界の位置をイメージ出来る。