男 あ、カッコ良い男の生き方、つまり死に方というか僕が子どもの頃好きだったTV番組の話をしてたんです。
若い女 何の話?
おっさん 面白そうだろ?
若い女 ねえねえ、何の話なの?
男 TVです。TVの話です。
若い女 TV局の人?
おっさん なんだそりゃ。
男 あ、僕はですね。見ての通り、会社員…。
医者、入って来る。
「カウンセリング」
男 沢山本を読んだ後とか、すごく疲れた後とか、嫌なことがあった時、体調を崩した時。頭の中がグルグルまわっていて、次から次へと言葉が、単語が、いろんな人の声で浮かんできて。何を言っているのか聞こうとして、聞こえなくて思い出そうとしても何も浮かんでこなくて。です。何かをしなくちゃいけないと思うのですが、する気が起きなくて
医者 「しなければ行けない」という感覚を忘れて下さい。
男 え?
医者 焦れば焦るほど、悪い方向に進んでしまいます。
男 では、どうすれば良いでしょうか?
医者 楽しめることを見つけて下さい。
男 楽しめる事。
医者 子どもの頃の事を思い出してください。何か楽しいことがあったはずです。夕方、大好きなロボットアニメを見るために息を切らして家に帰ったことや、友達と一緒に作った秘密基地。空き地で見つけて隠れた読んだHな本。
いろいろあったはずです。
男 アニメは今でも見ています。友達と作った基地は台風の日に壊れてしまって、それっきりで。H本は親にみつかって怒られて家にはおけなくなって
…。
医者 他にも何かあるはずです。
男 そう言われても、何が楽しかったか…。
医者 今、あなたの心は風邪を引いているだけです。ちゃんと治療すれば、風邪
は治ります。
男 薬とかは?
医者 風邪に特効薬はありません。
男 そんな…。
医者 実際、薬はあります。しかし、それらは1時しのぎでしかありません。
男 ではどうすれば?
医者 先ず、自分に向き合い、今の自分の理由を突き止めて下さい。自己分析です。嫌だったこと、つらかったこと、その時、自分はどうだったか?自分