「カッコ良い事を考える。」
男 アウトドアとかで、焚き火を前にして、ブリキのカップでウイスキーを飲むんです。もちろん肴はハムや薫製です。
おっさん それでギターなんかを弾いちゃうんだな。
男 そんなナンパなことしませんよ。
若い女 歌わないの?
男 歌いませんよ。
若い女 それじゃあ、おしゃべりするのね。
男 言葉はいらないんです。ただ星を見て、火を見るんです。
若い女 つまらない。
おっさん ああ、アレだな?言葉はいらないんだな。
男 はい。
若い女 そのままじゃない。
おっさん 言葉はいらないんだよ。
若い女 何それ。
おっさん それで、他はどんなのが良いんだい?
男 そうですね。ハムを食べる時はナイフですね。切り分けたりしないで、ブスリとさして。ほら、あの「ラピュタ」でシータとパズーが軍隊につかまった後、パズーが家に帰ってきたら空賊がご飯食べていて、女親分、ドーラが食べてたみたいに。
若い女 長いわ。
おっさん あんた、ジブリ好きだな。
男 へへっ。
若い女 「へへっ。」って。
男 ああ、ジブリと言えば…。
おっさん ああ、もうあんたの言う通りだ。
若い女 ねえねえ、車庫入れの時とかカッコ良くない?
男 え?
若い女 バックする時の、ホラ、こう…。
男 え、いや、そういうのはちょっと…。
若い女 えー、どうして?
おっさん バックミラー、使えば良いじゃねえか。
若い女 使わないの。
おっさん どうしてだ?
若い女 使わない方がカッコ良いからよ。
おっさん じゃあ、何か?車メーカーは男をカッコ悪くしたいがために、バックミラーを着けていると言うのか!?
男 いや、なんで怒っているんですか?
医者、ボブ、入ってくる。
医者 どうしたんですか?大きな声を出して。