精霊3 篭城になった時、水源を押さえられたら、もう勝ち目はない。
魔女 そのために城の主は、最高の防衛策をとった。
ミユ ?
魔女 川の流れが止められると、水源にドラゴンが現れるし掛けを作ったんじゃ。
ミユ ドラゴン…。
魔女 並みの軍隊じゃ。到底、相手に出来ない魔物じゃよ。そのおかげで、城は攻め落とされ
ることはなかった。今はもう廃れてしまったがのう。
ミユ お城がなくなっても、そのし掛けは残ってるのですか?
魔女 それは分からん。じゃが、万が一の時にそなえ、鍵をかけたんじゃ。
精霊3 村人が迷い込まないようにね。
ミユ でも、閉めちゃったら、誰も…。
魔女 もしかしたら、何かの間違いかも知れん。だからギリギリまで待って見るんじゃ。
ミユ 待ってもダメだったら?
魔女 ワシが水源にいくのさ。なあに、引き分け(相打ち)には持ち込めるじゃろう。
精霊3 で、どうするの?こんな話聞いちゃったけど。
魔女 無理はせんほうがええぞ。とくにお嬢ちゃんはね。
ミユ …鍵を開けて下さい。
魔女 え?
ミユ 約束したんです。
精霊3 無理はしないほうがいいよ。震えてるじゃん。
ミユ 行かせてください!
魔女 …まあ、無理にはめないがね。ただし、お嬢ちゃんが山道に入ったら鍵はかけさせて貰
うよ。
ミユ はい。それじゃあ。
魔女 さて、ワシはもう寝るよ。明日の朝に開けてやるよ。
ミユ え?
暗転
山道の入り口
魔女 なんじゃ、これは!
ミユ 鍵が壊されてる。
精霊3 あー、こりゃ、石で殴ったんだな。あらら、錆びてる錆びてる。
魔女 一体誰が?
精霊3 あいつじゃないか?あいつ。
ミユ 誰?
精霊3 っていっても、名前は知らないんだけど。
魔女 なんじゃ、それは。
精霊3 俺達の森を抜けだした奴がもう一人いたんだよ。
ミユ それって、もしかして…。
魔女 知っている奴か?
ミユ おばあさん!私、行きます。
ミユ、山道を走って行く。
精霊3 やれやれ。