男 はい。
医者 次に、今自分はどうあるのか?どうなりたいのか?そうなるのに必要なこ
とは何か?等遠い所から具体的なことを紙に書き出してください。
男 はい。
医者 1度にやっつけようとせず、一つずつ、ゆっくりとです。自分のペースで。
男 ゆっくりとですか。
医者 はい。それは1日にひとつかもしれないし、1年にひとつかもしれません。
男 そんな悠長なこと言ってたら会社クビになりますよ。
医者 そしたら、今いる会社はあなたにあっていないということです。
男 そんな…。
医者 先ず、あなたはどうなりたいですか?
男 …。
医者 難しく考えないで、例えば幼稚園児の夢のように単純で漠然としたもので。
男 …僕はカッコ良く生きたいです。
ボブ、入って来る。
ボブ カッコ良く死ぬ?
医者、去る。
男 はい。死ぬ時はカッコ良く死にたいんです。
ボブ というと?
男 はい。中学の時に友達と語りあったんですよ。男の行き様について。
ボブ それは熱いな。
男 といっても、どうやったらモテルだろうかっていう延長ですけど。
ボブ ははあ。
男 その時も話になったのはカッコ良く死ぬことです。「老衰なんてまっぴら
だ。」って感じで。
ボブ それで、その時はなんと?
男 はい。戦闘機に乗って歌いながら敵艦隊に突っ込んで行くとか。あ、勿論
宇宙です。あと、仲間を救うために、単身敵要塞に突入するとか。あとま
あ、敵とですね。熱い戦いの末に…。
ボブ 敵だらけだ。
男 はい。
ボブ それで、君は?
男 ちょっと青臭くて恥ずかしいんですが。
ボブ 大体想像はつくね。
男 愛する女性を守って死にたいな。と。
ボブ やっぱり。
男 子どもの頃大好きだった。TV番組があるんですよ。「ダンディ・ジョーン
ズ」。そのダンディみたいな死に方だったら…。
ボブ まあ、落ち着いて、その話は後でするとして、休憩をしよう。もう、随分、