医者 では、そのTVドラマの話をしましょう。
男 でも、ハッキリと覚えてなくて…。
医者 かまいません。話しながら思いだす事もあるでしょう。
男 …。
医者 それで、そのドラマのタイトルは?
男 あ、ハイ。「ダンディ・ジョーンズ魔宮の伝説」って言います。
「さえない男、ダンディ・ジョーンズを楽しみだす。」
男 沢山本を読んだ後とか、すごく疲れた後とか、嫌なことがあった時、体調を崩した時。頭の中がグルグルまわっていて、次から次へと言葉が、単語が、いろんな人の声で浮かんできて。何を言っているのか聞こうとしても、上手くいかなくて。捕まえようとすればするほど、手足がこんがらがって、目が覚めると汗だくで。思い出そうとしても何も浮かんでこなくて。
爆発音。「ドカーン」
ピカロ、飛び込んでくる。
ピカロ どうだ?
男 …いえ。
ピカロ ひび1つ入っちゃいねえな。何で出来てるんだ。
男 困りましたね。
ピカロ バカに嬉しそうだな。
男 いえ、ダイナマイトなんて初めてなもので。
ピカロ バカなこと言ってないで、早く入口を探せ。
男 へい。親分。
ピカロ 気持ちの悪い奴だ。
ピカロ、去る。
男は残る。
ダンディ、メリージェーン、入って来る。
ダンディ ふひー。荒っぽい事しやがるぜ。壊れちゃいないだろうな。
ジェニファー ダンディは考古学者でもあるからね。
ダンディ ああ、先週からな。
ジェニファー 開きそう?
ダンディ なんとか。
扉の開く音。「ゴゴゴゴゴゴ。」
ダンディ 開いた。
ジェニファー いよいよね。
ダンディ ああ、いよいよだ。