「台詞の墓場」
ダンディ 恐い思いさせちまったな。メリージェー…どうした?
ジェニファー ハハハ…。今になって腰が…。
ダンディ おぶろうか?
ジェニファー 大丈夫よ。
ダンディ へいへい。
ジェニファー ほら行きましょ。
ダンディ 大丈夫か?生まれたての馬みたいだぞ。
ジェニファー 大丈夫よ。
ジェニファー、手をつく。
「カチリ」
ジェニファー え?
「カウンセリング」
男 心がモヤモヤしているんです。何かをしなくちゃいけないと思うのですが、する気が起きなくて、目が疲れていて、背中が妙にだるくて、でも、眠たいわけじゃなくて。先生、私はどうしたら良いでしょうか?
医者 まず、自分が満足できる事を作ってください。作れないのならば、見つけ
て下さい。
男 どうすれば見つかるでしょうか?
医者 子どもの頃の事を思い出してください。何か楽しいことがあったはずです。夕方、大好きなロボットアニメを見るために息を切らして家に帰ったことや、友達と一緒に作った秘密基地。空き地で見つけて隠れた読んだHな本。いろいろあったはずです。
男 アニメは今でも見ています。友達と作った基地は台風の日に壊れてしまって、それっきりで。H本は親にみつかって怒られて家にはおけなくなって
…。
医者 他にも何かあるはずです。
男 そう言われても、何が楽しかったか…。
医者 今、あなたの心は風邪を引いているだけです。ちゃんと治療すれば、風邪
は治ります。
男 薬とかは?
医者 風邪に特効薬はありません。
男 そんな…。
医者 他にも何かあるはずです。楽しかった何かが。
男 …大好きだったTVドラマがあります。
医者 では、それを見て下さい。
男 ないんです。近くのレンタルビデオ屋で探したんですが、あまりにマイナーなシリーズなので、おいてなくて。