か希薄で…。お腹が空き過ぎて、朝起きれないような、体がいつもふわふ
わして、何をしても楽しくなくて、ただ時間だけが過ぎて行って…。昔は
自分がハッキリしていた、それだけは分かるんですけど、それでも体に力
が入らないんです。考えても分からなくて。
ボブ それで、答えはでそうなのかな?
男 それなら、ここには来ませんよ。
ボブ 確かに。
男 分からないんです。どう生きるかなんて考えたこともなかったで。
ボブ じゃあ、死ぬ事を考えてみようか?
男 え。
ボブ 人間誰しも死ぬ。死ぬために生きているとも考えらるね。
男 まあ、それはそうかも知れませんけど、ちょっと物騒ですね。
ボブ 死はいつも我々のまわりにいる。死を恐れてはいけない。恐れれば、それ
は光よりも速い速度で向かって来るだろう。恐れなければ、それは、優し
く見守っているだけだ。
男 はあ。
ボブ 死は終点ではない。そこを過ぎればまた新しい死が…。
男 あの。
ボブ 何だ?
男 これ、カウンセリングですよね。
ボブ そうだが?
男 いや、なんというか宇宙的で広大と言うか…。
ボブ ああ、すまなん。ちょっと脱線していたね。
男 はい。口調も変わってました。
ボブ いけない。悪い癖だ。
男 癖なんですか?
ボブ やはり私の中に流れている血が。うずくと言うか。
男 はあ。
ボブ どう死ぬかというのはあくまで例えで、考えても分からないときは考えて
みようか、と、そういうことです。
男 なるほど。
ボブ まあ、それでも分からない時は考えて考えて考えて、それでも分からない
時は考えるのをやめる。
男 ジブリですか?
ボブ はい。
男 確信犯!?
ボブ お好きなんですか?
男 はい。子どもの頃良く見てました。
ボブ 私は今でも見てます。
男 日系ですよね?
ボブ では、本題に戻ろうか。どう死ぬか…あ、いや、どう生きるかだったね。
男 …。
ボブ …。
男 …。
ボブ …少し休憩を挟もうか?こういったことは焦らないことが大切だし。喋り
っぱなしで、喉も乾いただろう。
男 …死ぬのなら。
ボブ ん?
男 死ぬのなら、カッコ良く死にたいです。
暗転