ナカノ実験室・新脚本案・
「タバコに火がつかない」
小雨が降り続く灰色の都市。降り止むことを知らないかのように降り続く雨。人々は「いつ雨が
降りだしたのか」覚えていない。
飛び交う銃弾。花売りの少女。若いバーテン。組織。
「あいつは生きている。俺の中以外では…。」
妄想は都市を包んだ。
登場人物
男
花売りの少女
女主人
幹部の男
部下A
部下B
・
酔いつぶれた客
シーン1『覚醒』
激しい銃声が響く。男が、何人もの男を相手にし闘っている。銃声。
一瞬の暗転男が立っている。
まわりには男の相手達の死体。男、遠くを見つめて、タバコに火をつける。
男:求めるままに…。
シーン2『欲望』
男が立っている。しきりに時計を見ている。足元にはタバコの吸殻。
雨が降っている。男は傘を差していない。花売りの少女が来る。傘は差していない。
少女:お花はいりませんか?お花はいりませんか?お花はいりませんか?お花は…
歩いている人々、買わない。花売りの少女、男の所へ行く。
少女:お花はいりませんか?
少女は花の売れない不安と降り止まぬ雨とで心細くなっている。微かに寒さも感じている。
少女:お花は、いりませんか?
男、財布から札をとりだし差しだす。花を買うには多すぎる金額。日本円で1万円ぐらい。
これはひどい。
昔に戻れるなら、全力でパンチするレベル。
ト書きとか、うぜー。