2012年10月5日金曜日

シチュエーションコメディ脚本・平成の米騒動5P目。

■ おお、早速見せてくれ。

★ タイ米買ってきてないよな。

● もち!

★ 何米買ってきたんだ?

● じゃあ、お披露目しよう。ジャカジャカジャカジャカジャカジャカ、 ジャーン!米!

★ だから何米だよ。

● 店の人は「ブレンド米」って言ってた。

■ ブレンド?

● うん。

★ ブレンドってなんだ?

● いやでも、ブレンド。

■ コーヒーだろ。

● え?

■ 米じゃなくてコーヒー買ってきたんだろ?

★ 米とコーヒー。

● コーヒー。

■ 間違えてコーヒー買ったんだろ?

★ 米とコーヒーを間違える。

● 米だと思うよ、多分。

■ 多分?多分てなんだ?ちょっと見せてみろよ。えーっと、何々…。国産

  米60%…

● 米でしょ。

★ 60%ってなんだ。

■ 間だ続きがある。カリフォルニア米20%、タイ米20%。

★ タイ米?タイ米が入ってるのか?

■ どうやらこれは、3ヶ国の米が混合された物みたいだな。

● 国際的だね。

★ なんなんだこれは?

■ ブレンド米だろ。

★ そういうことじゃなくて。

● ちゃんと確認したのにな。「これタイ米じゃないですよね。」って。

★ 店の人なんて言った?

● 「はい、違います。」って。

★ でもタイ米入ってるぞ。

● そんなこと言われたって。

★ 騙されたのか?

■ いやそれは違う。チーズは牛乳じゃないのと一緒だよ。

● これはタイ米が混ざってるけどタイ米じゃないから。

★ そうなのか?

● あ!

■ どうした。

● 「違います」って言った時、店の人80%だったような気がする。

■ 店員も100%の自信を持てなかったんだな。

● 20%のためらいか。

★ でも、なんでわざわざ混ぜるんだ?

● さあ。

■ 匂うな。

★ へ?

■ 事件。

● 事件?

シチュエーションコメディ脚本・平成の米騒動4P目。

■ すぐに作れるって。探したら『お手軽タイ料理の素』とか売ってるだろ。

★ 売ってるのか?

■ 売ってるって。鍋の素だけでも、これだけ種類があるんだから。

★ そうか。

 インターホンの音

■ おっ、来たな。

★ はいはい。

 ★、玄関に向かう。

★ おお、上がって上がって。

● お待たせ、ゼエゼエ。

★ ずいぶん早かったな。

● いやさ、米が重かったからダッシュで来たよ。

★ へ?

● いやさ、重い荷物って嫌だろ。

★ ああ。

● だから、ダッシュ。

★ はい?

■ だから、あれだろ?嫌なことはさっさとすませたいんだろ?

● うん、僕次男だから。

★ 次男関係あるのか?

■ しかし、ずいぶん疲れてるな。

● なんせ、全力だったから。

★ こんなもんかついで全力で走ったら疲れるって。

● あー、しんどいゲロ吐きそう。

★ おい、大丈夫か?

● 水ちょうだい、水道水。

★ 分かった。

 ★、台所に向かう。

■ 米かついで街中突っ走ってどうだった?

● …正直、ちょっと恥ずかしかった。

■ だろうな。

 ★、戻ってくる。

★ はい、水道水。

● サンクス。…カルキ臭いな。

■ そりゃ、お前、暑い時はバクテリアとか増殖するから、それを抑えるためにカルキ臭くなるんだよ。

★ 説明臭いな。

● ゴクゴクゴクゴク…。

★ 飲むの?

● プ八ッ!ナイスカルキ。

★ …ああ、ありがと。

● お米買ってきたよ。

シチュエーションコメディ脚本・平成の米騒動3P目。

★ どうしよ。この米炊いたらどうなるんだろ?

■ 時には退くのも勇気って言うぜ。

★ そこまで大袈裟に考えるつもりはないんだけどね。

■ そんなに自分を責めるな!

★ いや、責めてないから。

■ 炊かなくてもいいってことだよ。

★ 炊かなくてもいい?

■ ●に代わりの米買ってこさせりゃいいじゃないか

★ ああ、そうか。

■ 物事柔軟に考えようぜ。

★ まだ、家にいるかな?

★、●に電話をかける。

★ あー、もしもし。良かった家にいた。…、ちょうど今出るとこ?

  じゃあ、米買ってきてくれないか?…ああ、うん、ありがと。ああ!それとタイ米は絶対に買ってこないでくれよ。ああ、うん分かった。じゃあ頼むよ。スグ来るってさ。

■ くくくくくく…。

★ 何笑ってんだよ。

■ タイ米、絶タイ。

★ いや、そんなとこでボケてないよ。

■ くくく…。で●の奴は米買ってきてくれるって?

★ ああ。ちゃんとタイ米は買わないように言っておいた。

■ そうか。

★ なんでちゃんと見て買ってこなかったんだ。

■ へ?だってさ、「安いやつ買ってきてくれ。」としか言われなかったしさ。

★ いや、でもね。

■ ほら俺って、熱中すると回りのこと見えなくなる性質(たち)だから。

★ 良く言えばね。

■ それに、日本でタイ米が売ってるなんて思わないからさ。

★ 油断したわけか。

■ そうそう、まさに油断大敵だよ。あれじゃあさ、炭酸カルシュウムの袋混ぜといても分かんないよ。

★ 炭酸カルシュウム?

■ 道路が凍ったときにまくヤツだよ。

★ ああー、よく橋の近くに置いてある奴ね、白い粒だから間違えるかもって、間違えるかよ。

■ なんだなんだ、それ乗り突っ込み?

★ …そうだよ。

■ …頑張れよ。

★ …タイ米どうしようか?

■ 置いといたらいいじゃないか。

★ 置いといてどうすんだよ。

■ んー、そうだな。友達の結婚式が教会であったらライスシャワーに使うとか。

★ 実用的なこと言ってくれよ。

■ 水戸泉!

★ ますます実用的じゃないだろ。

■ なんで?国技館という改まった場で「それは米じゃなくて塩だろ」という笑いが…。

★ ああああ、ボケを解説しないで。

■ そう?それじゃあさ、本格的なタイ料理に挑戦してみるとか。

★ そんなの誰が作るんだよ。

シチュエーションコメディ脚本・平成の米騒動2P目。

手鍋は牡蠣がないだろ。寄せ鍋も魚介類買って来てないんだ。

★ それじゃあ。どうすんだよ。

■ シンプルに水炊きがいいかな?って思ってポン酢買ってきた。

★ これはどうすんだよ。

■ これから鍋するときに使っていったらいいだろ。

★ 月一で鍋やったって1年以上かかるぞ。

■ じゃあ、2回やるんだな。

★ なんで他人事なんだよ。

■ 米はね、ちゃんと安いの買ってきたぞ。

★ …、これなんて米だ?

■ さぁ。

★ さぁって、なんで知らないんだよ。

■ 値段しか見てないし。

★ そんな、無責任な。ちゃんと見て買ってこいよ。

■ ごめんごめん。

★ しっかりしてくれよ。えーっと、何々…タイ米。タイ米!

■ へー、タイの米か。

★ タイ米ってどういうことだよ。

■ どういうことだって言われても。

★ なんで日本にタイの米が売ってるんだ?

■ 最近タイ料理とか流行ってるし、それで売ってんじゃないの?

★ でも、日本は米の輸入が自由じゃないんじゃなかったか?

■ まー、俺は政経とってなかったから、そこらへんのことは分からないけどな。

★ タイの米ってどんな味がするんだろう?

■ 食ったことないから分からないな。

★ 鍋と合うかな?

■ 鍋と合わせて食ったことないからな。分からないな。

★ お前、さっきから分からないばっかだな。

■ そう言われても、分からないからな。

★ ホラ、また。…お前、分からない星人だな。

■ …で。どうする。

★ いや、分からないって言ってくれよ。

■ 一度タイ米を見てみようぜ。生米の状態でも得られる情報はあるだろ。

★ そうだな。

 ★、■袋を開けて見る。

■ …、細長いな。

★ 本当だ。

■ これは種類が違うんだな。授業で聞いた気がする。

★ 種類が違うと味も違うんじゃないか?

■ ああ、マクドとモスぐらいの差はあるだろうな?

★ それは上手い例えなのか?

■ 俺に聞くなよ。匂いはどうだ?

★ そんなに無茶な匂いはしてないけどな。

■ どれ?ホントだ。味はどうだ?ちょっと食べてみろよ

★ どれ…、美味しくないな、なんか粉っぽいというか。

■ そりゃ、生米だからな。

★ おい。

■ どうする?この米炊くのか?

シチュエーションコメディ脚本・平成の米騒動1P目。

   『平成の米騒動』改訂5

  ★

  ■

  ●

 ★の部屋、★が電話で話している。

★ …ああ。鍋の素と、あと材料も買ってきてくれよ。今、冷蔵  庫カラッポなんだ。…ああ、白菜はあったと思う。うん。あと米買ってきてくれ。…銘柄?何でもいいよ。適当に安いので、じゃあ、待ってるからな。

 ★、部屋を片付け始める。片づけが終わったら、座りTVを見始める。

 インターホンの音

 ★、TVを消して玄関へ向かう。

★ はいはい。

■ お待たせ。

★ 早かったな。

■ 野菜が悪くなったらいけないから急いで来た。

★ なるほど。

■ よいしょ、頼まれてた鍋の材料。ああー、重かった。

★ お疲れさん。

■ しかし、鍋するには、まだちょっと暑くないか。

★ 外歩いてきてからじゃないのか。それに、鍋しようって言ったのは

  お前じゃないか。鍋やってスタミナをつけて、夏場の疲れをフッ飛

  ばそうって。

■ そうだったな。

★ ちゃんと、頼んだもの買ってきてくれたのか?

■ ちゃんと買って来って。えーと、まず野菜で、ネギ、大根、春菊、椎茸。

  あと鶏肉に豆腐、くずきり。

★ 材料は問題なしだな。

■ あと味付けるのはいっぱい買ってきたよ。

★ いっぱい買ってきた?なんで?

■ いっぱいあったから。

★ どんなの買ってきたんだ?

■ まず石狩鍋の素、土手鍋の素に寄せ鍋の素、ここからは海外だな。

★ 海外?

■ 中華風、韓国風、カンボジア風、広東風カニ玉、メキシコ、スペイン、イタリア…。

★ 今、なんか変なの混じってなかったか?

■ とにかく世界の主だった国は買ってきたよ。アジアは大体制覇かな。

★ アジア制覇って、ホントだラオスもあるよ。

■ すごいだろ。

★ こんなに買ってきてどれ使うんだよ?

■ 問題はそこなんだよ。

★ どれ使うんだ?

■ 買ってから気づいたんだけど、この材料じゃ先ず海外はないわな。

★ おい。

■ そうなると国内なんだけど、石狩鍋っていっても北海道っぽいもの買ってきてないし、土

2012年9月29日土曜日

アイデアメモ:ナカノ実験室新脚本案・「眼鏡大使~La・GUN」・アイディア連ね書き

A:あるところに生まれつき視力の悪い人だけが住んでいる星がありました。

B:うん。

A:その星を発見した地球人は、「見えないのは可哀相だ。」とメガネをプレゼントしました。

B:へえ。

A:しかし、その星の人達は嬉しくありませんでした。何故でしょう?

B:なんでだろ?今まで見えなかった物が見えて嬉しくなかった。とかそんなのかな?

A:ブー。

B:え、じゃあ、答えは何?

A:フレームが気に入らなかった。

B:なんだよ、それ。

 挿入歌「メガトン・メガネ・モラトリアム」

 君のメガネは何メガネ?

 オイラのメガネはグラビティ

 君のフレームは何でできてる?

 オイラのフレーム、うるち米

   いけ!そこだフックだ!いや、やっぱジャブだ。ジャブ!

   燃やせ!そこを燃やせ!焼け!焦がせ!

   LALALA モラトリアム

 緑豆春雨 干し椎茸 干瓢 メザシ 海苔 ひじき ひじき ひじき

 カレーライス カレーうどん カレーラーメン カレー冷麺

 もやしもやしもやしメガネもやしもやしもやし

   メガネと牛乳の相性ってってどうなんだろ?

   やっぱ、夜十一時以降はやめといたほうがいいのかな?

   どうなんだ教えてよ!なんだヤッパそうか


昔のことなんで分からないですが、このビョウキみたいなメモ書きから、「メガネ大使」という作品が出来上がりました。

通常版と改訂版とで2回やったやつで、2回目は私の学生時代の卒業講演でやったモノでした。

手持ちのデーターも少なくなってきたので、そろそろ、この脚本を公開しようと思うのですが・・・。

持っている脚本のデーターを全部だしたら・・・このブログはどうなるのだろうか???

小説とか、書こうかな・・・。

2012年9月23日日曜日

惑星ピスタチオに影響され、重機人間ユンボルの登場前に書いていた未完成脚本・ドライバーズ・ハイのまとめ。


重機人間ユンボル (ジャンプコミックス)

 

惑星ピスタチオ

惑星ピスタチオ(わくせい - 、英語表記:PLANET PISTACCIO)は、かつて存在した日本の劇団。座長は腹筋善之介、座付き作家・演出家は西田シャトナー。1989年の旗揚げ以後、関西の小劇場を中心に活動。2000年、解散。
小道具などを一切使わず、パントマイムと膨大な説明科白を駆使して場面描写や登場人物の心情を表現する「パワーマイム」と呼ばれる手法、そして一人多人数役を次々に切り替えながら多くの役をこなす「スイッチプレイ」等、独特の演出法が話題となる。動員2万人を誇り、「劇団そとばこまち」や「劇団☆新感線」、「劇団MOTHER」などと並んで関西を代表する人気劇団となった。

宇宙から降り立つ巨大ロボット、数万人の武士による合戦、バクテリアと戦う白血球のミクロの世界、宇宙空間での戦闘シーン、生身の体による音速走行のデッドヒート、 異国のサーカス、のどかな田園風景を走る列車まで、演劇化不可能と思われるありとあらゆる表現をパワーマイムと一人多人数役で行った。惑星ピスタチオ - Wikipedia

 

『重機人間ユンボル』(じゅうきにんげんユンボル)は、武井宏之による漫画作品である。サブタイトルに「JUMBOR BARUTRONICA」が付与されている。土木・建設工事に関する要素を世界観に取り入れているのが本作品の特徴である。連載話数の単位は「第n工程」。

連載終了後、『ウルトラジャンプ』2009年11月号、2010年3月号にて、本編の約300年後を描いた読み切り『ユンボル -JUMBOR-』が掲載され、2010年8月号からストーリーを一からリセットし、再度連載中。
2007年3号 - 14号 重機人間ユンボル - Wikipedia

 

これまでアップしていた元のワードファイルが2001年とか、2002年のファイル更新日時なので、実に、『ユンボル』が連載される5年前に、工具をテーマとしていた脚本を書こうとしていた訳です。

まぁ、重機と工具って違いますけど、登場人物とか、割とかぶっているのじゃあないかな。1人くらいはかぶっているハズ。まぁ内容は、Dの意志のパロディとかあるので、ワンピースの影響とかも受けているのですが・・・。あ、シャーマンキングの影響も、モロウケですね。

そもそも、この脚本を書こうと思ったのは、今は、もう惑星だけに消滅している『惑星ピスタチオ』という劇団の破壊ランナーとかを見た関係で、「肉体で表現するスゴイ脚本を書いてみたい」ということで、生身と素手と工具一本で、戦車とかをバラバラに分解するストーリーを考えた訳です。

書いた内容は、天下一武道会的な展開までですが、そこは、中盤で、大会に潜んでいた裏の意図とか、陰謀とかが出てきて、後半のクライシスに繋がる予定でした。フロントミッションのオープニングとか、中盤の陰謀のシーンをイメージしていたのじゃないかな?

 

この脚本の世界感、世界設定は、生産する先進国と、分解する発展途上国。インドかどこかで、使い終わったタンカーを人力で分解されている様子をテレビか何かで観て着想した感じでした。電気ドライバーが『締める方向にしか回らない』というムチャな設定を考えていましたが、よく考えると、単純に機械化された生産と、人の手による分解で良かったかも知れません。

たしか、超人の域にまで達した分解士(ネジ師w)を兵士として軍事徴用するとか、そんな展開を考えていて、その辺りはもフロントミッション的ですし、FF7からの影響もあったように思えます。確か、武力に乏しい主人公達の国の軍部が、世界の逆転を企んでいたとか、そんな感じだったかな。

 

構想の詳細は忘れましたが、ラストシーンは、超巨大戦艦が空から降ってきて、主人公が、単身、空中で分解して、視界がホワイトアウトして、今風で言うなら「ゾーン」、作品タイトルの「ドライバーズ・ハイ」の領域に突入して…みたいなのを考えていました。

一番最後のシーンは、いつもの日常、ガラクタの山の中で働く主人公と親方、遠くにシャシーだけとなった、巨大戦艦の骨組みが出て、「ドン!」という感じで終る絵を想像していました。

 

…まぁ、演劇でどうやって表現するのか?という・・・。もしかしたら、台詞の並びですけど、キャラ設定などと、中盤の入り口くらいまでは書けていて、最後の展開まで考えているので、小説とかにすれば良さそうなモノですが・・・。

もう、10年も前に考えていたことなので、ネタの鮮度は、落ちてますよね。きっと。当時、小説を書くこともしていたら、小説で書いたのかも知れません。

以下がページのまとめです。まぁ「未完成脚本・ドライバーズ・ハイ1P目。」から『次へ』で進んでいくのが便利だと思いますが。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ30P目。(未完)

役人  まったく、バスクスでは帝国が戦艦が建造されているし、気苦労が絶えないよ。

クリス 報告は以上です。

役人  …ウム。分かった調査を続けてくれ。

クリス はい。

 通信が終る。

ナット 隊長、愚痴くらい聞いてあげればいい…。

 クリス、一睨み。

クリス 次の仕事よ。

ナット …はい。

 クリス、去る。

ナット ふう。

ボルト 余計な事言うからだ。

 ナット、ボルト、去る。

親方  ライバ。18年前の紛争のことは知っているか?

ライバ ああ、なんか国防軍が平和維持活動の介入を拒んだとかなんとかで…。

親方  あの時、国中のネジ師に召集がかかったんだ。

ライバ え?なんで。

親方  名目は「戦車の生産に参加させる」とかそんなんだったんだが。

ライバ まあ、ありえない話じゃないな。

親方  どうも、胡散臭い。戦車を作るのになんでネジ師がいる。

ライバ そりゃあ、ま。普通の人よりは構造とかに詳しいからじゃないのかな?

親方  いいや。あの時は戦車の解体は軍直属の機関に任せられていた。

ライバ それじゃあ、なんでだろ?

親方  何か黒い陰謀を感じるだろ?

ライバ 考え過ぎだと思うけど。

 この辺から各組織の思惑が出て行くようにしようか。

  →軍部の陰謀

  →世界政府

  →ガーディアン

 背景として、帝国の巨大戦艦。

  そして、本当の黒幕。

   死の商人。先進国で作りだされる兵器を売りさばきたい。

 

未完

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ29P目。

た男はまだノウノウと軍部にいた。私は、父さんに会う為、その男に復習するために世界政府に入ったの。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  SCENE ??「ネジ師失踪」

   SCENE ??「ライバ遅番」

ライバ いくら残業手当がでるからといって、やっぱり遅番の仕事は大変だ。

 ガサゴソ

ライバ  ?…わ!

ネジント うわ!

ライバ  こんな所で何してるんだ!

ネジント 安心しろ!怪しい者ではない。

ライバ  怪しくない人はそうは言わない。

ネジント 本当。もう、大丈夫だから。

ライバ  何が大丈夫なんだよ…。

ネジント あ。

ライバ  え?

ネジント お前、ネジリンピックのルーキー。

ライバ  あの時の変なガンマン。

ネジント 

   SCENE 6「世界政府」

ナット なんとか潜入できましたね。

ボルト お前やばかったな。

ナット い?

ボルト 予選ギリギリだったろ。

ナット はい。

ボルト いや否定しろよ。

クリス ちょっと静かにして。

 モールス信号の音。「ツツートントントンツートン」

 声が入る。世界政府の役人。

役人  うまく潜入できたようだな。

ナット 今の音なんだったんですか?

クリス はい。次の作戦に移ります。

役人  どうもこの大会には黒い陰謀が渦巻いているようだ。このタイミングでの軍縮の表明。世界政府は何か裏があると考えている。

クリス はい。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ28P目。

ナット ねえ、隊長。

ボルト おい。

クリス そうね。つまらない国だわ。

ナット そうですよね。

ボルト ちょっと黙ってろ。

ナット イテ。

ボルト 隊長。前からお聞きしようと思っていたことなんですが、どうしてこの件のことを志願されたんですか?

クリス …。

ボルト 教えて下さい。

クリス …個人的な事よ。

ボルト だったらなおさらです。話して下さい。

クリス え?

ボルト 私達は隊長の部下です。だから、それが仕事だったらついて行くしかありません。それが仕事だったらです。

クリス ボルト…。

ボルト しかし隊長は今回の事を仕事だと思っておられるのでしょうか?普段のクリス隊長なら…あんな悲しい顔をしないはずです。

ナット …ボルト。ストーカーって言葉を知っているか。

ボルト うるさい!

 ナット、ボルト、掴み合いのケンカ。

クリス …ふふ。

ボルト あ。

ナット 隊長が笑った。

クリス ふふふ。あはははは。

ナット へへ、へへへへへへ。

ボルト …はははははは。

 3人、ひとしきり笑う。

クリス ごめんなさい。ちょっと昔のこと思いだしちゃって。

ボルト 昔の事?

ナット お、昔話ですか。

クリス 私が昔、あの国に住んでいたということは、前に話したわね。

ナット はい。存じ上げています。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 {どこかで使おう}

クリス 私の母が言っていた。お父さんは生きている。だから生きている限り絶対に会えると。父さんはネジ師だった。だから私はネジの勉強をした。ネジを続けていれば、父さんに会えると思ったから。17の時に私は図書館で恐ろしいことを知った。あの戦争は仕組まれたものだった。そして父さんを利用し

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ27P目。

するというネジ師の技量を試すものでした。

長官  ほう。

クリス しかし二回戦からは人間同士の格闘の要素も加わり出し。そう、戦争で言う所の…。

長官  白兵戦か。

クリス はい。

長官  ふーむ。

クリス そして、ラチェット氏は静電気による電気系統のトラブルと説明してますが…。

長官  決勝戦で突然戦車が起動した事か。

クリス はい。

長官  ネジ師の命を狙ってのことも推測できると言う訳か。

クリス いえ、違います。

長官  どういうことかね?

クリス ネジ師の命を奪っても国防軍に何の利益もありません。

長官  それは、そうだが。

クリス 今回のネジリンピックで証明された事があります。

長官  と、言うと?

クリス 人間は起動している戦車を分解できるということです。

長官  …フム。

クリス 私が感じたところは以上です。

長官  貴重な報告をありがとう。それでは引き続き調査を続けてくれ。

クリス はい。

 クリス、去る。

   SCENE ??「クリスの過去」

 ナット、ボルト、入って来る。

ボルト 遅いな。隊長。

ナット そうか?こんなもんだろ。

ボルト 隊長、何か考えてる様子だったからな。

ナット そうか?いつもと一緒だろう?

ボルト …お前幸せそうだな。

ナット どうもありがとう。

 クリス、入って来る。

ナット あ、隊長。

ボルト どうでした?

クリス 引き続き調査を続けろって。

ボルト そうですか。

ナット あーあ、これでまたあのシケた国に逆戻りか。娯楽がないんすよね。娯楽が。

ボルト おい。ナット。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ26P目。

クリス そうでもないは?

ナット へ?どうしてです?

クリス 決勝戦で動くはずのない戦車が急に動きだした。

ナット でもそれは電気系統のトラブルだって。このおっさんが言ってたじゃないですか…。

ボルト ちょっと黙っていろ。もしそれが仕組まれた事だったらってことですか?

クリス ええ。

ナット 考え過ぎじゃないですか?

クリス 人間は走っている戦車を分解できるっていうことが照明されたわ。

ナット ああ、あのドラゴンって奴は凄かったですね。

クリス そうね。

ボルト 隊長、もしかして。ラチェット将軍は…。

クリス ええ。でもまだ推測に過ぎないけれどね。

 TVに戻る。

記者  将軍のご両親は15年前の紛争でお亡くなりになられたという話ですが…。

ラチェ はい。私が国防軍に入ったのは、その時に軍に不甲斐なさを感じたからです。

記者  なるほど。

ラチェ 国民を守ることが出来なくて何が国防と言えるでしょうか?

記者  もっともです。

ラチェ 紛争で多くの犠牲者を出しました。私は二度と同じ悲劇を繰り返したくないと考えております。

 親方、ライバ、プラス、ナグリとかがTVを見ている。

 ・

 ・

 ・

(含まらせる)

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 ・

   SCENE ??「世界政府に報告するクリス。」

クリス ネジリンピックへの潜入の結果を報告します。

長官  うむ。

クリス 実際にネジリンピックに参加、出場しました所、表立って不審だと思われる所はありませんでした。大会の名目の「払い下げ戦車の分解」の通りでした。

長官  なるほど報告書の通りだ。それではネジリンピックは単なるイベントだったということかな?

クリス はい。しかし少々気になる事があります。

長官  何かね。

クリス 私見を交えることになりますが。

長官  かまわん。話したまえ。

クリス 試合の形式で少し気になる事が。予選と一回戦に関しては単純に戦車を分解

2012年9月16日日曜日

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ25P目。

ライバ へ?

男   大丈夫か?

ライバ あ、はい。

男   今度、余所見をするときは、トラックぐらい分解出来るようになっとくんだな。

ライバ …。

男   じゃあな。

 男、去る。

おっさん おーい。ボウズ大丈夫か?

ライバ  …。

  その男は走行中のトラックを一瞬で分解した。8歳でヒーローに夢中だった俺は一瞬にして、ネジに夢中になった。

 回想が終る。

 陰謀。トーナメントは実戦トレーニングを兼ねたものだった。

 ネジ師の高み、「ドライバーズ・ハイ」とは?

   理由、ネジリンピックがすごい大盛況。支持率80%!

   SCENE ??「ラチェット大統領」

 TV放送。

記者  大統領就任おめでとうございます!

ラチェ いやっは。どうもどうも。

記者  今後の抱負をお聞かせ下さい。

ラチェ はい。ご存知の通り私は国防軍の将軍を兼任しております。

記者  はい。ご存知です。

ラチェ 世界は軍縮の方向に向かって動いております。そこで私も軍を縮めようと考えております。

記者  なるへそ。しかし、帝国を初めとして、今だなお武力教化を続けている国々がありますが…。

ラチェ ハイ。ですからしばらくは国防に必要な軍事力は保とうと考えてます。

記者  なるほど。

ラチェ 私は世界平和を願っています。

 クリス、ナット、ボルト、その様子をTVで見ている。

ナット 調子のいいこと言いやがって。何企んでいやがるんだか。

ボルト しかし、この前のネジリンピックを見る限りでは何とも言えないが。

ナット ただの人気取りだよ。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ24P目。

 閉会式等のあと。

SCENE ??「超陰謀」

ラスボス 計画の方はうまく進んでいるか?

ラチェ  はい。問題なく進んでおります。

ラスボス そうか。ならば良し。

ラチェ  この計画が成功いたしましたら私目もメンバーの一員に。

ラスボス 分かっている。

ラチェ  ありがとうございます。

ラスボス バスクスの巨大戦艦は完成に近づいている。一刻も早く精鋭部隊の準備を整えるのだ。

ラチェ  は、分かりました。

ラスボス お前には期待している。

   SCENE ??「ライバの夢」ネジリンピック終了直後。

ライバ …あれは俺が8つの時だった。

 回想に入る。

 現在のライバの声はキャスト無表記のもの。

配達の帰り、いつも俺は街頭テレビでやっていたヒーロー番組に夢中だった。

ライバ かっこいいなあ。「裸戦隊ぎりぎりセーフ」…。

  その日は「ぎりセー(ギリギリセーフの略)」の最終回に近い回で、すごい面白い回で、俺の視線は釘付けだった。

おっさん おい、ボウズ。あぶねえぞ。

  電気屋の親父の声も耳に入らず、俺は街頭テレビに視線を残したまま、横断歩道を渡り始めた

おっさん おい!ぼうず!信号、赤だぞ!赤!

ライバ  え?

  その時だった!

 (迫り来るトラックの音)

ライバ う、うわあぁぁぁ…。

 (一人の男が飛び出し、あっという間にトラックを分解する)

 (パラパラとトラックの部品が落ちる)

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ23P目。

   SCENE??「ネジ師の高み」

 とりあえず、現段階では謎のネジ師。

ライバ おじさんはどうしてネジ師になろうと思ったの?

ネジ師 どうして、そんなこと聞きたいんだ?

ライバ 僕もネジ師になりたいと思ったから。

ネジ師 なるほどな。

ライバ ねえ、なんで?

ネジ師 ライバ、この前分解したトラックだけど何で出来ているか知っているか?

ライバ えー、鉄でしょ?

ネジ師 そうだ。良く知ってるな。

ライバ 誰でもそんなこと知っているよ。

ネジ師 鉄っていうのは、この地球上で一番多い金属だ。岩の中にも土の中にも生き物の中にもゴロゴロしている。ほうれん草とかな。でもだからって、湯水のように使ってちゃあそのうち限界が来る。この世界で無限の物なんて無いからな。だから俺達ネジ師がちゃんと廻してやんないといけないんだ。このネジ一本が新しい機械の部品になるんだ。

ライバ なんか長くて難しい。

ネジ師 じゃあな。例えば戦車っていうのはなんだ?

ライバ 大砲を打って敵を攻撃する車でしょ?

ネジ師 そうだ、人を殺す道具だ。

ライバ …。

ネジ師 でも、俺達ネジ師はその戦車をジェットコースターや観覧車なんかに生まれ

変わらせることが出来るんだ。

ライバ やっぱ、すごいね。ネジ師は。

ネジ師 ああ。

ライバ やっぱり僕、酒屋継がないでネジ師になる。

ネジ師 ふふ。そうか。

ライバ ねえ、おじさん。僕にネジを教えてよ。

 回想終る。

 戦車の部品がバラバラと落ちている。

ライバ  …。

ドラゴン 次に大会に出場する時は走っている戦車ぐらい分解出来るようになっとく

んだな。

ライバ  …。

 ドラゴン、ライバの胸についている機械を分解する。

ドラゴン まあ、次があるかどうか分からないけどな。

ライバ  …。

レフリー 優勝はドラゴン=スクリュー選手です!

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ22P目。

 ラチェットサイドに移って

ラチェ  さあ、決勝戦もファイナルに向かおうとしています!ここに残った選手達

の実力を測るために戦車を起動しました!選手達の頑張りをご覧下さい。

 ライバサイドに戻る。

ライバ  囲まれた!?

 戦車が、突進する。

ライバ  うわぁ!

ドラゴン 余所見をするな!

 ドラゴン、ライバに向かった戦車を分解する。

 ライバの昔がリフレインする。

おっさん おい!ぼうず!信号、赤だぞ!赤!

ライバ  え?

  その時だった!

 (迫り来るトラックの音)

ライバ う、うわあぁぁぁ…。

 (一人の男が飛び出し、あっという間にトラックを分解する)

 (パラパラとトラックの部品が落ちる)

ライバ へ?

男   大丈夫か?

ライバ あ、はい。

男   今度、余所見をするときは、トラックぐらい分解出来るようになっとくんだな。

ライバ …。

男   じゃあな。

 男、去る。

おっさん おーい。ボウズ大丈夫か?

ライバ  …。

おっさん おい、ぼうず。

 ライバ、走りだす。

 回想が続く。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ21P目。

 →その親父という線も。(未確定)

 →プレイバックの所で、ネジ師の話。「なぜ分解するか」「鉄の循環」「兵器を生まれ

変わらせる」等。

 選手達、戦車を解体する。

 ライバVS各選手

 それぞれの選手VSそれぞれの選手

 ライバVSドラゴン

ドラゴン なかなかやるな。

ライバ  あんたこそ、随分手強いな。

ドラゴン 年季の差だ。

ライバ  じゃあ、俺はまだまだ強くなれるってことか。

 戦車を分解する。

 会話。

 応援席の親方へ。

親方  早い!

プラス そんなにすごいのお父さん。

親方  ああ、早いなんてモンじゃない。あの男一人で師団一つくらい…。

ナグリ そんなネジ師がいるのか…

プラス ライバ、負けないで。

  ・

  ・

  ・

(まあ、膨らまそう)

  ・

  ・

  ・

ドラゴン お前も目指しているのか?ネジ師の高みドライバーズ・ハイを。

ライバ  ああ、俺はある人と約束したんだ。絶対にあんたと闘えるくらい強くなる

ってな。

ドラゴン 若いな。

ライバ  なんとでも言うが良いさ。

ドラゴン だが、手加減はしないネジ師の山の高さを思い知れ。

ライバ  望む所だ!

 2人、戦車を分解する。

 戦車がエンジン音を上げて動き出す。

ライバ  なんだ!?

ドラゴン 

ライバ  こんなに多くの、しかも起動している戦車をどうやって…。

2012年9月11日火曜日

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ20P目。

親方  戦車を分解させるなんざ、まるであの時の…。

プラス ?戦車を分解するのはいらなくなったからでしょ?

親方  また新しいのを買うだろうが、全く俺達から絞り上げた金で…ぶつぶつ…。

プラス 歳だよ。何かと愚痴を言うようになったら。

親方  うるさい。

 ナグリ、入ってくる。

ナグリ あいつは随分強くなってるよ。

プラス ナグリ。

親方  お前がだらしないだけだろ。

 ・

 ・

 ・

(膨らませる)

   SCENE ??「決勝前」

リポ  はい。本戦が行われる日になり“やがり”ました。

ラチェ はい。私は選手ではないので、緊張する事も無く10時にバッチリ夜10時

に床につきました。

リポ  子どもですね。

ラチェ いえいえ、コーヒーはブラックです。

リポ  その発想が子どもです。

ラチェ いやっは。いよいよ本戦ですね。

リポ  選手達はどのような心境で“やがる”のでしょうか?

ラチェ 緊張せずに100%の力を発揮できる事を願う限りです。

リポ  そうですね。それでは後ほど選手“ども”達のご様子を見に行きましょう。

ラチェ はい。私も隠しカメラで…。

リポ  は?

ラチェ いやっは。ブラウン管の向こうで待ってます。

リポ  はい。それでは行ってみましょう。

ラチェ はーい。

 2人、去る。

   SCENE ??「控え室」

   SCENE ??「決勝」

 決勝は1回戦と2回戦をまぜた形、次々とくる戦車(動いてる)をバラシながら、

選手同士も戦う。

 んで、戦車が崩れて来たりして、ライバが潰されそうになる。それをドラゴンが助

ける。ライバの過去がプレイバック。恩人のネジ師はドラゴンだった?

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ19P目。

レフリ さあ、ごだごだ言ってないで試合を開始しましょう!

 ライバ、ナグリ、構える。

レフリ ゲットセット!よおおい…スタートゥ!

 試合開始。

 まずは力比べか。(バトルは役者がつくろうぜ。ト書きは暫定ね。)

ナグリ ほう。力だけはあるんだな。

ライバ 親方に鍛えられてるんでね。

 ライバ、ガ押しきる。

 間合いを取る。

2人飛びかかる。

 交差して。

ナグリ ほう。なかなかの素早さだ。

ライバ 親方に鍛えれてるんでね。まずは一本目。

 飛びかかる。

 交差。

ナグリ 良いスナップだ。

ライバ 親方に鍛えれてるんでね。2本目。

 飛びかかる。

 交差。

 (というのをまあくりかえして。)

ナグリ 完敗だ。

ライバ 幼なじみのナグリに勝った。

とまあ、こんなのをやって、主要メンバーを決勝に

 何試合かやったり、間にシーンを挟んで。

 プラスと親方が応援に来てタリ

  →ラチェット、クリスとか他の因縁のある選手に気付く。

   SCENE ??「応援に来た親方、プラス、ナグリ。」

プラス ライバ、勝てるかなあ。

親方  あいつは十分強いんだが、妙に勝気で頭に血が上りやすくて、しかも結構パニくる方だからなあ。まあ、落ち着いたらいけると思うんだが。

プラス 随分あぶなっかしい性格ね。

親方  しかし軍部のやつら何を考えてやるんだ。

プラス 何が?

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ18P目。

カブリ よぉ。ルーキー達。

ナグリ また来たよ。

カブリ 次はいよいよ因縁の兄弟対決だな。

ナグリ 俺達は兄弟じゃねえよ。おっさん。

カブリ へ?

ナグリ 知ったかぶりするなら。ちゃんと調べてからするんだな。

カブリ 冗談だよ。知ってるよ。従兄弟だろ?

ナグリ ただの近所の友達だ。

カブリ 知ってたよ。

ナグリ おっさん、いい加減しろよ。

ライバ おい、ナグリ。もう、ほっとけよ。

ナグリ だけどよ。

ライバ 悪いけど、俺達次試合なんだ。オジさんも次の試合の用意しなよ。

カブリ 俺は1回戦負けだ。

ライバ へ?

ナグリ ホラ、こういう口だけのキャラって弱いんだ。

カブリ ほっとけ。

ナグリ じゃあなオッサン。さっきも言ったけど、試合なんだ。

カブリ おい。2回戦は1回戦と違って、各選手の体にアーマーをつけて、そのパーツを分解しあうんだ。1回戦とは勝手が違うから、十分気をつけるんだな。

ナグリ 知ってるよ。

カブリ は?

 ・

 ・

 ・

(増やす)

2回戦は各選手の体になんかパーツみたいなものをつけて、闘うのだ。

 そのパーツを分解しあうのだ。(誰かに言わす)

 SCENE ??「2回戦」

 主要キャラのバトル。

   SCENE ??「ライバVSナグリ」

ナグリ お前とちゃんと戦うのは初めてだな。

ライバ そうだな。

ナグリ ていうか、ネジリンピックが初めてだからな。

ライバ 全くだ。

ナグリ この勝負に勝ったほうがプラスと付き合うんだな。

ライバ 勝手に盛り上げるな。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ17P目。

コーザ さあ、女王の前にひれ伏しなさい!

 クリス、一瞬にして戦車を分解する。

コーザ  へ?

クリス  口を動かす暇があるなら、一本でもネジを外す事ね。

放送の声 ウィナー!クリス=タッカー!

 リポーターサイド。

リポ  いやあ、一瞬にして勝負がついてしまいましたね。

ラチェ いやあ、平気そうにしてますけど、これはアバラ折れてますよ。

リポ  そうですね。

ラチェ おい、流されたよ。

ホサ  残念です。

リポ  次に注目のカードは、やはり、ドラゴン=スクリュー選手の試合でしょうか?

ラチェ そうですね。名前からして強そうです。

リポ  あれ?

ラチェ どうしました。

リポ  ああ、もう終ってしまっているようですね。流石優勝候補、仕事が早い。

ラチェ いやあ、残念です。

リポ  はい。CMの後は2回戦の模様です。

ラチェ …。

リポ  いや、言い“やがれ”下さい。

ラチェ へ?

ホサ  チャンネルはそのままで!

リポ  ナイスリリーフ!

 3人、去る。

 SCENE 13「控え室」

ライバ ふー、1回戦を突破できたのは嬉しいけど、ほとんど不戦勝みたいな勝ち方でいまいち納得いかないな。

ナグリ 随分説明的だな。

ライバ ナグリ。

ナグリ 1回戦、ラッキーだったな。

ライバ ああ。で、ナグリはどうだった。

ナグリ 俺が負けるわけ無いだろ。

ライバ ふふ。よく言うよ。

ナグリ 次は負けないぜ。

ライバ それは俺のセリフだよ。

 カブリ、入って来る。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ16P目。

ネン  当然だ。テレキネシスという超能力だからな。

ライバ なるほど。

ネン  さあ、かかって来い。

 客席からの歓声。

 「わー、すごいぞー」

 「むむむ、やるな。あいつ。」

 「以外といい男ね」(男の声)

 浮いていたドライバーが高度を下げる。

ライバ ?

ネン  ぐっ、クソ。俺を誉めるな。集中力が途切れる。

 客席からの歓声。

 「わー、どうした頑張れ!」

 「ドライバーが落ちてますよ。」

 「しっかりしろ!ハイリキ!」

ネン こら、誰がハイリキだ。チューハイか俺は。

 ドライバーは全て落ち。ネン=リキは客席とケンカ。

 その間にライバ、戦車を分解する。

放送の声 ウィナー!ド=ライバ!

 リポーターサイド。

リポ  …。

ラチェ …。

ホサ  …。

ラチェ ありあり。

リポ  次はクリス=タッカー選手対コーザ=エイ選手です。

ラチェ おお、女性対決ですか。華がありますね。

 クリス、コーザ、入って来る。

   SCENE 12「クリス=タッカーVSコーザ=エイ」

コーザ あなた。運が悪いわね。1回戦でこのあたしと当たるなんて。

クリス …。

コーザ 人は私のことをこう言うは、クイーン・オブ・スクリュー。ネジの女王とね。

クリス …早く始めましょう。

コーザ ふん。強がってられるのも今のうちよ!

 試合開始の合図。

2012年9月7日金曜日

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ15P目。

ホサ  将軍!(「生放送」について熱く語る)

ラチェ 僕が悪かったです。

リポ  やはりこのカードでしょうか?ド=ライバVSネン=リキ。ライバ選手は本

大会最年少です。

ラチェ そうですね。若いってだけで注目されますね。

ホサ  将軍!(「ミニモニ。」についてダイナミックに語る。)

ラチェ へえ。そうなんだ。

リポ  なんかこの人のせいで余計進行が遅れている気がしますが、まあ、1回戦見

ていきましょう。

ラチェ・ホサ チャンネルはそのままで!

リポ     はい。CMには行きませんよ。

 ライバ、ネン=リキ、入って来る。

   SCENE 11「ド=ライバVSネン=リキ」

ネン  お前か最年少というのは。

ライバ ああ。

ネン  私はガキが相手でも手加減はしない。覚悟するんだな。

ライバ ああ、ありがたいよ。いつもはオッサン達に囲まれてネジ外している。子ど

も扱いは無用だ。

ネン  口だけは達者だな。

ライバ ネジは口で外すもんじゃないさ。

ネン  …ふん。

 試合開始の合図。

ネン  ふおぉぉぉぉぉぉぉ…。

ライバ !

 リポーターサイドになる。

リポ  おおっとすごい。ドライバーが宙に浮いています。

ラチェ これはエスパー魔美で言う所のテレキネシスですね。

リポ  分かりやすい解説ありがとうございます。

ホサ  HUNTER×HUNTERで言う所の操作系ですね。

リポ  はい。微妙です。

ラチェ ネン=リキってそのままの名前だなあ。

リポ  はい。ダサいネーミングはともかくとして、素晴らしい能力です。

 ライバサイドになる。

ネン  どうだ。俺は一度に6本のドライバーを操ることが出来るんだ。

ライバ すごい集中力だ。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ14P目。

(思いついたら膨らまそう)

   SCENE 10「本選」

 リポ、入って来る。

リポ  さあ、いよいよ本選がやって来やがりました。本選は予選と違い。えー…

 カブリ、入って来る。

カブリ 本選は予選とは違い、1対1のトーナメント形式で行われるんだ。そしてベスト8が出揃った時点で8人でバトルロイヤルを行い、優勝を決めるんだ。

 カブリ、去る。

リポ  “メラ”親切な通行人さん、サンクスです。それではトーナメント表を見てみましょう。

 役者、トーナメント表を再現する。

リポ  ああ、なるほど。若干人数が足りませんが雰囲気は分かりました。

 ラチェット、ホサ、入って来る。

ラチェ いやー、遅れて申し訳ない。

リポ  遅いぞ!コンチクショウ!

ホサ  申し訳ありません。将軍とネクタイの色でもめたもので。

リポ  おや、その“お”野郎は?

ラチェ いやっは。どうやら昨日は失言が多すぎたのでストッパーとして連れてきました。

ホサ  左中投げです。

リポ  ああ、そうですか。それでは1回戦の様子を見ていきましょう。

ラチェ はい。

リポ  16試合も見ていると大変なのでピックアップして行きましょう。

ラチェ あれ?これ録画?

ホサ  将軍!(「ごきげんよう」について語る。)

ラチェ ああ、そうか。

リポ  さあ、それでは1回戦の模様です。

ラチェ この紙によると、1回戦は一台の戦車を同時に分解しあい、より沢山のネ

ジを抜いた方が勝ちのようですね。

リポ  将棋崩しみたいなものですね。

ラチェ まあ、そんなところです。

リポ  それでは1回戦注目のカードを見ていきましょう。

ラチェ 見ていきましょう。面白くないのはカットしましょう。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ13P目。

プラス お父さんは、もう歳だから無理よね。

親方  バカたれ!まだまだ若いもんにはまけんわ。

プラス わあ。ごめん。

ライバ でも、親方が出れば絶対にいいところまで行けると思うけどな。

プラス そうよね。お父さん、ライバよりずっと早いもんね。

ライバ うるさいな。

親方  …プラス。もう寝て来い。

プラス え?まだ早いよ。

親方  いいから。

プラス え?でもなんで。

親方  明日は仕事が早いから、弁当も早く作ってもらわないと困るんだ。

プラス …分かった。じゃあ、お父さんも早く休んでね。

親方  ああ。

プラス じゃあね。ライバ。明日は頑張ってね。

ライバ ああ。お前に言われなくてもな。

プラス 何それ。応援して損した。

 プラス、去る。

親方  今日、呼んだのは大切な話があってな。

ライバ 話ってなんだよ。

親方  俺は国防軍が嫌いなんだ。

ライバ だからネジリンピックには出たくないと。

親方  そうだ。

ライバ まあ、俺も軍隊は好きじゃないけど。

親方  何を企んでいるか分かったもんじゃねえ。

ライバ そんな深く考えないでも。人気取りじゃないの?TVでも言ってたけど、戦車の処分もかねた。

親方  いいや。怪しい。

ライバ あんまり頑固にしているとプラスに嫌われるよ。

親方  とにかく国防軍は何か企んでるかも知れないから、あんまり深入りするなよ。

ライバ 分かってるよ。俺はネジ師になりたいんだ。軍には入らない。

親方  そうか。なら安心だ。

ライバ じゃあ、俺もう帰るから。明日も早いから。

親方  おお、ゆっくり休んで本選頑張れよ。

ライバ ああ。

 ライバ、去る。

 (なんかライバの本選に向けて決意するようなシーン)

ライバ 俺もあんたみたいになれるかな?

 ・

クリス 父さん。見ていて下さい。私は戻ってきました。

 ・

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ12P目。

 3人、去る。

   SCENE 9「親方」

 プラスがいる。

 ライバ、入って来る。

ライバ おいっす。

プラス あ、ライバ。お父さん。ライバが来たよ。

 親方、出てくる。

親方  おう、ライバ。お疲れさん。頑張ったな。お父さん誉めてくれたか?

ライバ 野球見てたってさ。

親方  親父さん冷たいな。

ライバ いいって、あんな親父。

プラス 今、お茶でもいれて来るね。

ライバ あ、砂糖いらないから。

プラス 麦茶よ。

ライバ え?だからいらないって。

プラス ガキ。

ライバ 何?

プラス はいはい。砂糖無しね。

親方  どうだった?他の連中は手強かったか?

ライバ ああ。いるんだなうちの仕事場以外でもネジの早い奴って。

親方  そりゃあ、ま。この国の花形だからな。ネジは。

ライバ 外国から来てたやつもいたよ。ネジの世界は広いってことか。

 プラス、入って来る。

プラス 何?男が二人して「ネジネジ」って。ネジ以外に話題はないの。

ライバ 相変わらず口が悪いな。

プラス はい。お茶。

ライバ どうも。

プラス はい。お父さん。

親方  ありがとよ。

 3人、お茶を飲む。

ライバ でもさ、親方。

親方  ん?

ライバ 親方も出れば良かったのにな。ネジリンピック。

親方  俺はいいわ。

ライバ なんで、俺なんかより。ずっとネジ早いのに。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ11P目。

プラス、去る。

   SCENE 8「クリス」

 クリス、ナット、ボルト、入って来る。

 ナットの手には何か飲み物。

ナット しかし、何にも無い所ですね。

クリス そうね。

ボルト まあ、途上国だ。こんなもんだろ。

ナット あのスタジアムはやけに出かかったけど。

ボルト まあ、土地が安いんだろうな。

ナット どうせだったら、もっとにぎやかな所に来たかったよ。

ボルト にぎやかな所だったら、仕事しないで遊ぶだろ。

ナット そりゃ遊ぶよ。

ボルト いや、否定しようね。

ナット ねえ隊長。この仕事隊長から志願したって聞ききましたけどどうしてなんです?

クリス …個人的な事よ。

ナット 個人的なことって、僕達は部下ですよ。話してくれたっていいでしょ。

ボルト おい、ナット。お前、隊長になれなれしいぞ。仕事は仕事だぞ。

ナット いーや。俺らは死と隣併せの仕事なんだぞ。

ボルト お前なんか変だぞ。

ナット 誰がカ行変格活用だ。

ボルト 分かりにくい事言うな。…お前これ酒じゃないか。

ナット 酒?これジュースだろ?

ボルト ええ?…これなんて書いてあるんだ?

クリス この国の文字で「ウォッカ」って書いてあるわ。

ボルト ウォッカ!?

ナット ちゃんと標準語でも書いとけ、チクショウ。

クリス まあ、小さな国だから。

ボルト さすが隊長。博識ですね。

クリス 昔この国に住んでいたの。

ボルト え?

クリス 15年前の紛争のいざこざでこの国を離れたんだけど。

ボルト そうだったんですか。

ナット で、なんで今になって。

ボルト おい、ナット。

クリス いい区切りだったかしら。

ナット そんな説明じゃわかりませんよぉ。

ボルト おい、ナット。お前調子に乗り過ぎだぞ。

ナット うるせい。

ボルト すみません。隊長。

クリス いいのよ。さあ、宿に戻りましょう。

2012年9月1日土曜日

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ10P目。

ナグリ なんだ、まださっき言われた事気にしているのか?

ライバ そんなんじゃないよ。

ナグリ 「そんなんじゃないよ。」ってことは、そうなのか。

ライバ なんだって!

ナグリ おいおい。怒るなよ。明日は本選だぜ。コンディションコンディション。

ライバ …。

ナグリ まあ、気にするなよ。ネジ師なんて年齢15歳以上で1年半以上の経験のある者っていう肩書きだろ?気にするな。

ライバ だから気にしてないって。

ナグリ 分かった分かった。

 プラス、入って来る。

プラス あ、ライバいた。

ライバ プラス。

ナグリ やあ、プラスちゃん。どうしたんだ?こんな時間に。

プラス ちょっと、ちゃん付けはやめてよね。

ナグリ なんでだよ。

プラス 2歳しか離れてないでしょ。兄貴面するのはやめて。

ナグリ まあ、血は繋がってないけどね。赤の他人。

プラス もう、あんたってば、ああ言えばこう言う。

ナグリ へっ。

 ナグリとプラス、メンチの切りあい。

ライバ メンチ中悪いけど、何かようか。プラス。

プラス あ、そうそう。親方…ううん、お父さんがライバを呼んで来いって。

ライバ なんだろ?

プラス 予選突破したから、誉めてくれんじゃないの?

ライバ 誉めるって、俺はガキじゃないぜ。

ナグリ ガキだ。ガキだ。14なんてまだまだガキだ。

ライバ なんだって?ひとつしか違わないのにエラそうにするな。

ナグリ その一年が大きいんだよ。

ライバ 俺は早生まれだから、一年じゃない。

ナグリ ばか。俺も早生まれだ。

 2人、ケンカ。

プラス あ、今日「ぎりセー」の再放送だ。

ライバ 今日の勝負は引き分けだ。

ナグリ ああ、早く帰ろう。

 ライバ、ナグリ、去る。

プラス いやあね。男の子って。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ9P目。

 ドラゴン、去ろうとする。

ネジント おい。

ドラゴン まだ何かようか?

ネジント 覚えておきな。アルツールに解体場はないぜ。

ドラゴン …。

ネジント じゃあな。

 ネジント、去る。

ドラゴン …。

 ドラゴン、去る。クリス達の前を通る。

ナット あ、あいつ偉く強かった奴だ。

ボルト お前やばかったな。

ナット い?

ボルト 予選ギリギリだったろ。

ナット はい。

ボルト いや否定しろよ。

ナット 仕方ないだろ。ネジなんて専門外なんだから。大体1ヶ月かそこらのトレーニングで予選を突破したんだから…。

ボルト クリス隊長は随分早いですよね。ネジ。

ナット 無視するな。

クリス え?ええ。昔ちょっとかじったのよ。バイトで。

ナット へえ。

クリス 学生時代にね。工学部だったから。

ナット クリス隊長、工学部だったんですか。

ボルト そろそろ。ホテルに戻りましょうか?

ナット おい。

クリス そうね。戻りましょ。

ボルト 行きましょう。

 クリス、ボルト、去る。

ナット ちょっと待ってくださいよ。

 ナット、後を追う。

   SCENE 7「家に帰る途中。」

ライバとナグリ家に帰る途中

ナグリ さすがに世界一のネジ師を決める大会だ。変な奴ばっかりだ。

ライバ そうだな。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ8P目。

ネジント よお、ルーキー。

ナグリ  また来たよ。

ネジント そう興奮しなさんな。ここでやろうって訳じゃねえ。

ナグリ  日本語分かってるか?

ネジント その歳で予選をかちぬくたぁ、対したもんだ。すごいぞ最年少。

ライバ  ネジに歳は関係無いだろ。

ネジント 違いない。

ナグリ  それじゃあ、急いでいるもんで。

ネジント お前もやっぱり目指してるのか?最年少。

ナグリ  帰るって言ってるんだけど。

ネジント ネジ師の高処ドライバーズ・ハイを。

ライバ  …。高処どころか。俺はまずネジ師になりたいんだ。

ネジント へえ。お前ネジ師じゃないのか。あの腕前で。

ナグリ  あんたには関係無いだろ。

ネジント それじゃあ、教えてやる。あの男を見てみな。

 ネジントが指した方向にはドラゴン=スクリュー。

 ナグリ、去る。

ナグリ  おい、帰るぞ。

ネジント ヘイへイ。冷たいなルーキー。

 ネジント、ドラゴンの所に行く。

ネジント よお。チャンプ。

ドラゴン …何か用か?

ネジント 別に用って程じゃないが。

ドラゴン じゃあ、放っておいてくれ。

ネジント おいおい、あんたも冷たいな。

ドラゴン こっちは話などないからな。

ネジント あんたどうしてこの大会に参加したんだい?

ドラゴン お前には関係無い。

ネジント いい腕だ。まあ、俺よりは落ちるが。

ドラゴン 何が言いたいんだ?

ネジント 俺はエスタミルの解体場で働いている。

ドラゴン だから何が言いたい?

ネジント いや、あんた程の使い手なら仕事場でも噂になったりするんだ。「アイアン

ロックのゲンっていうネジ師は歳の割りにすげえ」とかそんな感じで。

ドラゴン ほう。

ネジント あんたの話は聞いた事ないから、どこで働いているのかな?って思ってね。

ちょっと聞いたんだ。どこで働いているんだい?

ドラゴン …アルツールだ。聞きたい事はそれだけか?

ネジント ああ。

ドラゴン じゃあ、失礼する。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ7P目。

   SCENE 4「控え室」

ライバ ふー、若干14歳。大会参加者の中で最年少だったけど、実家が酒屋で小さい時からこき使われていたおかげで、常人を貼るかに超える体力と瞬発力があったおかげでなんとか予選を勝ち抜く事ができた。さて、予選も終った事だし帰ろうとしようかな。

ナグリ 随分説明的なセリフだな。

ライバ ナグリ。

ナグリ 予選通過おめでとう。

ライバ お前もな。

ナグリ どうする?これから。

ライバ 用もないからかえるよ。

ナグリ そうか。じゃあ、俺も帰るか。

ライバ 途中まで一緒だ。一緒に行こう。

ナグリ そうしよう。

 2人、部屋を出ようとする。

カブリ     よお。

ナグリ     何か用ですか?

カブリ     予選通過おめでとうルーキー。

ナグリ     初めて開かれた大会でルーキーも何もないだろ。

カブリ     おっと、そう慌てなさんな。いいこと教えてやろうってんだからよ。

ライバ・ナグリ いいこと?

カブリ     あの男を見てみな。

 カブリ、一人の男を指差す。その先にはドラゴン=スクリュー。

ライバ     あの人がなんなんだ。

カブリ     ルーキー潰しだ。気をつけろよ。

ナグリ     だから初めての大会でルーキーとかルーキー潰しとかおかしいだろ。

カブリ     見ろあの顔。

ライバ・ナグリ ?

カブリ     潰しそうだろ。ルーキー。

ナグリ     は?

カブリ     じゃあな、せいぜい気をつけるこった。

 カブリ、去る。

ナグリ ちょっと待て。おい結局気のせいかよ。…あいつ日本語通じるのか?

ライバ なんだったんだ?あのおっさん。

ナグリ さあな。ただの知ったかぶりだろう。

 ネジント=イーストウッド、ライバに近づいて来る。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ6P目。

リポ  …どう考えても、今、手助けをしたと思うのですが…。

ラチェ これが、不思議とルール上では問題無いんですよ。

リポ  もう一度見直したほうがいいんじゃねえですか?ルール。

ラチェ じゃあ、出来たら。

リポ  それはやらないパターンです。

ラチェ 私もそう思います。

リポ  あ、どうやら予選勝ちぬき一人目がでそうです!

 2人、去る。

 ドラゴン、すごい早さで戦車を解体する。

リポーター、ラチェット、入って来る。

リポ  “メラ”すごい早さです。エントリーナンバー1278版のドラゴン=スクリュー選手です。名前からして強そうです。

ラチェ …。

リポ  あの…。

ラチェ いやっは。すいません見とれてました。

リポ  もっとTVを意識して下さい。

ラチェ はい!

リポ  まだまだ予選は続きます。すごいゆるめた!外した!?いや戻した!フェイントか!?戻した振りをして抜いた。ゆるめた。外した。肩の関節を外した!

…(適当に続ける。)

 選手達、戦車を解体する。

ライバ んぬぬぬぬぬぬ…。

ナグリ ぐぬぬぬぬぬぬ…。

 戦車を解体している選手達、順に飛び出して来る。

リポ  本選に出場する32名が決まりました!

ライバ エントリーナンバー5739!アイアン・ロック湾岸出身ド・ライバ!夢は

ネジ師になること!

リポ  予選通過者が全て全部決定したようです!

ラチェ この後行われる本選が非常に楽しみです。

リポ  本選の模様はまた後日放送されます。明日までチャンネルはそのままで!

ラチェ 前向きに検討しつつ努力して下さい!

 リポーター、ラチェット、去る。

選手達 部品レベルに分解してやるぜ!

 選手達、去る。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ5P目。

ラチェ はい。私は子どもが大好きです。未来を担う子ども達に頑張って欲しいです。

リポ  …はい。ランキングに変化はありません。

ラチェ チクショウ!

 2人、去る。

 ネジント、ネジマキ、入って来る。

ネジント よう!妹!調子はどうだ?

ネジマキ …。

ネジント 俺の方がまだまだ上のようだな?

ネジマキ …。

ネジント 最近どうだ?

ネジマキ …。

ネジント …なんだ?あれか?忍者ってのは喋らない人達なのか?

 2人、去る。

 リポーター、ラチェット、入って来る。

リポ  またまた何か予選中に話している余裕をぶっこいてらっしゃる選手がいるようですが?…(調べて)どうやら、兄妹でご参加されて“やがる”ネジント=イーストウッドさんとネジマキさんですね。お兄さんはガンマンで妹さんは忍者をされてるそうです。いかがですか?将軍殿。

ラチェ かなり無理のある兄弟だと思います。ガンマンと忍者ですか。

リポ  はい。私もそう思います。

ラチェ 苗字とかどうなってるんでしょうね?

リポ  考えないようにしませう。

 二人、去る

 クリス、ナット、ボルト、入って来る。

 クリスは黙々と戦車をばらしている。

ナット 手がしびれて来た。

ボルト おい頑張れ。

ナット だめだもうネジなんか見たくない。

ボルト 仕方が無い奴だな。

ナット ねじ外しなんて専門じゃないってーの。

ボルト 隊長。ナットが弱音はいてます。

クリス …仕方がないわね。

 クリス、ナットを手伝ってやる。

ナット 隊長早い!

 3人、去る。

 リポーター、ラチェット、入る。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ4P目。

   SCENE 2「CM・はなてんネジ師派遣センター」(削る可能性大やね)

 選手達がCMの役に切り替わって行く。

 女、ベットの上で悩ましげなポーズを取りつづける。

 そこに近づく男の影。

 男、ドアを開く。

女   きゃ!

 男の手にはドライバー。

女   あなた、車解体する?

 メッセージ「はなてんネジ師派遣センター(↑)」

 CM終り。

   SCENE 3「予選終了」

選手の中からラチェットとリポーターが出てくる。

リポ  無事何事も無く、安全にCM明けました。

ラチェ いやあ。一時はどうなるかと。こういうのを塞翁が馬っていうんですね。

リポ  言いません!言わせません!それでは予選の続きをどうぞご覧になり“やが

れ”!

 2人、去る。

 予選の続き。選手達、戦車を解体する続ける。

 ライバ、戦車を解体している。

ナグリ よお。

ライバ やや!お前は幼なじみで一つ年上の俺のライバルのナグリ!

ナグリ お前も出場していたんだな。

ライバ ナグリもでてたのか。

ナグリ この間は負けたが、今日は本気で行かせてもらうぞ。

ライバ ふふ。なんど聞いたか、そのセリフ。

ナグリ 36回だ。

ライバ 確信犯!?

ナグリ おっと、今は予選中だ。無駄口叩いている場合じゃないぜ。

ライバ 話しかけてきたのはそっちだろ。

 2人、去る。

リポ  何か予選中に話している余裕をぶっこいてらっしゃる選手がいるようですが?…(調べて)どうやら、今大会最年少のド=ライバ君14歳のようです。いかがですか?将軍殿。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ3P目。

リポ  ご覧下さい。この“メラ”スピードを!次から次へと部品に変わっていきます。なお、選手達によって分解されている戦車は、本ネジリンピック主催者であるクランプ・D・ラチェット将軍のご好意により国防軍により提供されています!将軍、ワンコメントお願いします!

 戦車を分解している選手達から、ラチェット将軍が出てくる。

ラチェ 払い下げです!本日はネジリンピックにご来場頂きまして真にありがとうございます!沢山の参加者と沢山のお客様、真に嬉しい限りです。解体されて

いる戦車達も真に喜んでいるはずです。

リポ  今回、ネジリンピックの開催の理由をお聞かせ下さい。

ラチェ はい。機械文明が高揚するなか、私はネジ師という仕事とは非常に重要であると考えております。次々と機械が生産される中、分解が行われなければ世界の鉄資源はすぐになくなってしまいます。我々国防軍も主力である戦車部隊を初めとして多くの兵器…いやいや機械を保有しておりますので分解とも大きく関っているわけです。そこで丁度古くなった戦車の処分に困って…

リポ  ハイ?

ラチェ ゲフンゲフン!龍角散。効率良く戦車を分解するのと同時に、大変な仕事であるネジ師をピックアップしようと思いこの大会を開催しようと思ったのです。私、ネジ師大好きです。尊敬してます。生まれ変わったら…。

リポ  なんとなくこの大会の黒い部分が見えたような気がした気がしましたが。そうですか。そうですね。ネジ師は子ども様のなりたい職業第3位ですから。

 リポーター、ラチェット以外の役者でネジ師が3位であることを表す。

リポーターに通信が入ってくる。

リポ  あ、ハイ。今、ネジ師が気さくなマスターと宮大工を上回り子ども様のなり

たい職業ベスト1になったようです。

 リポーター、ラチェット以外の役者でネジ師が1位になったことを表す。

リポ  ちなみに国防軍人は56位です。

ラチェ 私は子どもが武器を取らなくてもいいように願っています。

リポ  …はい。ランキングに変化はありません。

ラチェ チクショウ!

リポ  “メラ”露骨なリアクションありがとうございます。

ラチェ いやっは。いつも寝る前に失言には注意しようと壁に貼ったルーズリーフを

読んでいるのですが、根が正直なもので。

リポ  失言には“メラ”ご注意下さい。それではCMです。CMの後は引き続き予選の模様をお伝えします。チャンネルはそのままで!

ラチェ んー、敵は本能寺か?野球か?といった所でしょうか?

リポ  おらぁ!

 リポーター、ラチェット、その他の選手になる。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ2P目。

ライバ へーい。

親方  お前も随分早くなったな。

ライバ へ?

親方  ネジだよ。ネジ。

ライバ そりゃあ、朝から晩までネジはずしてたらね。早くなるよ。

親方  ちげえねえ。

ライバ …もう何本はずしたかな?ネジ。

親方  お前もやっぱなりたいのか?ネジ師に。

ライバ まあね。

親方  いいねえ。若いってのは。

ライバ 親方。それ、どう意味だよ。

 作業員の声がする。

作業員 新しい船が入るぞ。持ち場を離れろ。

親方  おっと新しい仕事だ。

ライバ 部品レベルに分解してやるか。

作業員 オーライ、オーライ、オーライ、オーライ…。

 船が置かれる音。「ズシーン」

 役者、飛び出す。

 以下のセリフを役者全員で。

セリフ それは電気ドリルが逆回転できる前の話!次々と生み出される列車、船、飛行機、戦車!高揚する機械文明!生産と分解のアンバランス!鉄の輪廻転

生!鉄の循環を助けるため今日もネジをゆるめ続ける!「部品レベルに分解してやるぜ!」

   SCENE 1

リポ  本日は第1回ネジリンピックにご来場頂きまして“メラ”サンクスでござい

ます!

 選手達、戦車を分解する。

リポ  ネジリンピックとは機械文明が生み出した産物、つまり、そのまんま機械ですが、その機械を分解する能力を競うものでありまっす!

 選手達、戦車を分解する。

リポ  皆様このドライバーズスクリューズスタジアムに設置されている“メラ”巨大パノラマビジョンをご覧下さい!ネジリンピックにエントリーした選手達

どもの予選のもようでありまする。

 選手達、戦車を分解する。

未完成脚本・ドライバーズ・ハイ1P目。

clip_image002

ナカノ実験室・脚本・「ドライバーズ・ハイ」(仮)Ver.1.03

 ・プラスと親方本当の親子ではない。紛争のいざこざで孤児になっていたマイナスを親方が引き取った?

 登場人物

♂1 ド=ライバ ♂2 ナグリ ♀1 プラス ♂3 親方 ♂4 リポーター ♂5 クランプ=D=ラチェット将軍 ♂6 ホサ補佐 ♂7 カブリ=タッシ

♂8 ドラゴン=スクリュー ♂9 ネジント=イーストウッド

♀2 忍者ネジマキ ♀3 クリス=タッカー ♂11 ナット ♂12 ボルト

♂13 世界政府役人 ♂14 ネン=リキ ♀4 コーザ=エイ

不問2 レフリー(リポーターにさせるか) まだまだ出ます。

 オープニング

 船や列車が運ばれる音、機械音。

 ネジを締める音、ゆるめる音。

(もっと抽象的なニュアンスも)

人間の腕の力には限界があるという理由で。

腕の力には限界があるという理由で。

ある時人間は開発した。

ある時先進国で人間は電気ドリルを開発した。

 機械音

人間の力を遥かに超えて。

次々と作りだされる機械。

その機械もやがて役割を終える。

役割を終えた機械は

途上国に運び込まれ。

生まれた姿に戻される。

アイアンロック海岸解体場

親方  おーい、ライバ。休憩入れろや。

ライバ ちょっと待って、この船あとちょっとでバラせるから。

親方  早くしろい。

 ネジをゆるめる音が続き、船が崩れる音。

 ライバ、スクラップの山から顔を出す。

ライバ よっと。

親方  よっしゃ、休憩にしよう。

2012年8月26日日曜日

高橋いさをさんから影響「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」はヒーローになれなかった(なれない)男の物語。

劇団ショーマ (げきだんショーマ) は、日本の劇団。1982年、日本大学芸術学部演劇学科に在籍していた高橋いさをを中心に結成。同年10月、『みらあ』公演で旗揚げ。
高橋いさをの作品群は、大きく以下のように分けられる。

登場人物が芝居を演じるうちに、現実と虚構のパラドックスにはまり込んでいく様を描いた「超虚構」(メタフィクション)
「超虚構」を踏まえつつも、無対象演技によって拡大された演劇空間を変幻自在に往来する様を描いた「豊かな演劇シリーズ」(荒唐無稽9部作)
劇団ショーマ - Wikipedia

私が、大学演劇で、初めて取り組んだのが、高橋いさをさんの「バンク・バン・レッスン」でした。だから、やはり、その影響があったのだと思います。

思うに、氏の作品は、私が見た中で、現実の人々が「虚構」を楽しむ・・・というニュアンスがあったと思うのですが、その影響で書いた、この「ダンディ・ジョーンズ」は、10年くらいたって、読み返してみると・・・「虚構」を楽しめない、もしくは、ヒーローになれない、虚構にすら逃げ込めない、男が主人公の話になってました。

その心の部分が、ラストシーンに影響して・・・まぁ、非常に「よくある」ラストになっておりますが、最後にドアーを叩いた人が何者か?解釈は、10年前と、今とでは、解釈が違いますから、書いた本人的には、言い知れぬ、不気味さがありました。

多分、この手の話では、主人公の男が、虚構の世界で「カッコ良い主人公」になって、心の闇を吹き飛ばすのがセオリーだと思うのですが、社会の脇役(脚本上は主役)が、虚構の中でも脇役になり・・・という部分は、今、読み返すと、面白かったです。

それでも、ある意味、この物語は救いの物語でもあるのですが・・・だけど、ラストシーンの解釈次第では、また、違ったニュアンスで描けるかも知れません。

10年も前の脚本なので、今の演劇よりは古臭さを感じますが、生きている間に、「再演」が出来たらな・・・と思います。21歳の頃に書いた脚本ですが、今は、自分が、主人公に近い年齢になったように思えます。

以下がそのページのまとめ。まぁ、1P目から。「次の投稿」で進んでいけば、連続で読めますが。

完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 1P目。


  • 没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ④
  • 没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ③
  • 没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ②
  • 没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ①
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 39P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 38P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 37P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 35・36P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 34P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 33P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 32P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 31P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 30P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 29P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 28P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 27P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 26P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 25P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 24P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 23P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 22P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 21P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 20P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 19P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 18P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 17P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 16P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 15P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 14P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 13P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 11・12P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 10P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 9P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 8P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 7P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 6P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 5P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 4P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 3P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 2P目。
  • 完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 1P目。
  • 没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ④

    男    え、僕ですか?

    おっさん ああ。

    男    僕は、別にそういう嗜好は…。

    おっさん そうじゃねえだろ。カッコ良い仕草だ。

    男    ああ。そうですね。タバコを吸う仕草とか。

    おっさん なるほどな。

    男    僕、タバコ吸いませんけど。

    おっさん 吸わないのかよ。

    若い女  あなたどう?さっきから黙ってるけど。

    ボブ   …。

    若い女  ねえ。

    ボブ   …。

    おっさん 寝てるんじゃないか?

    ボブ   起きてます。

    若い女  じゃあ、なんで黙ってるのよ。

    ボブ   カッコ良い男は多く語らない。

    おっさん 自分で言っちゃったよ。

    男    もう、仕草がカッコ良いんですよ。タバコ一本吸っても決まるんです。

    若い女  あ、それ分かる。

    男    皆さん、何かそんなのないですか?

    おっさん あ?

    男    カッコ良い仕草です。その、グッとくる。

    おっさん ああ。

    男  あ、すみません。その前に。

    医者 はい?

    男  トイレはどこですか?

    医者 どこに行ってらしたんですか?

    男  トイレです。

    男  ちょっと、タバコを買いに。

     アイリーン、入って来る。

    アイリーン そこまでよ。この周りはCIAが包囲しているは?

    ピカロ   アイリーン!どこってたんだ!?

    ダンディ  自体が飲み込めてないようだな。

    アイリーン ピカロ。脱税の容疑がかかっているわ。おとなしくしなさい。

    ピカロ   ちくしょう!つかまってたまるか。

     ピカロ、逃げる。

    ダンディ   待ちやがれ!

    ジェニファー あ、待ってよ!

     ダンディ、ジェニファー、去る。

       「カウンセリング」

    医者 何か見つかりましたか?

    男  あ、はい。大好きだったTVドラマがあります。

    医者 TVドラマ?

    男  タイトルは「ダンディ・ジョーンズ魔宮の伝説」って言います。

    医者 それでは、その話をして行きましょうか?

    男  あ、すみません。その前に。

    医者 はい?

    男  トイレはどこですか?

    暗転

    医者   終わりましたか?

    おっさん お、先生。つつがなく。

    若い女  面白かったんだから。

    没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ③

     ダンディ、ジェニファー、魔宮に入っていく。

    男 ダンディが魔宮に入り。いよいよ物語が終盤にはいります。丁度、期末試験期間に入りだしたのですが、僕には関係ありませんでした。

    おっさん ダンディはあんたか?

    男    僕は違いますよ。ダンディはワイルドな風貌なんです。そうボブさん

    みたいな。

    ボブ   このジーンズが。

    男    女性2人ですし。

    男    富井さんは?

    おっさん お?そう言われても難しいな。こういうのは漠然としたもんだからな。

    男    じゃあ、具体例でも。

    おっさん …街で見かけた男とかでも良いか?

    男    ええ、聞かせてください。

    おっさん その男はかなり良い線いってたんだ。

    男    へえ。

    若い女  どんな人だったの?

    おっさん 一見、寝間着ともとれる服を着ていて、首にはキャメラをぶら下げて

    いて、こんなサングラスをかけている上に、肌の感じは梅宮辰夫を思

    わせるんだ。

    男    そいつはすごい。

    若い女  カメラ、下げてたの?

    おっさん ああ、桜の季節だったからな。プロだなありゃ。

    若い女  へえ。

    おっさん どうなんだ?女としては、やっぱそういうのシビレルのかい?

    若い女  まあね。

    おっさん 先生は?

    医者   まあ、人によりますね。

    おっさん 賢い女。

    男    流石だ。

    若い女  何よ。それじゃあ、私がバカみたいじゃない。

    おっさん おお、悪い悪い。

    男    すみません。

    若い女  もお。

    若い女  仕事から帰って来て、ネクタイを外す時とか、感じちゃうわ。

    男    ははあ。

    おっさん お前はどうなんだ?

    没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ②

    医者 では、そのTVドラマの話をしましょう。

    男  でも、ハッキリと覚えてなくて…。

    医者 かまいません。話しながら思いだす事もあるでしょう。

    男  …。

    医者 それで、そのドラマのタイトルは?

    男  あ、ハイ。「ダンディ・ジョーンズ魔宮の伝説」って言います。

       「さえない男、ダンディ・ジョーンズを楽しみだす。」

    男 沢山本を読んだ後とか、すごく疲れた後とか、嫌なことがあった時、体調を崩した時。頭の中がグルグルまわっていて、次から次へと言葉が、単語が、いろんな人の声で浮かんできて。何を言っているのか聞こうとしても、上手くいかなくて。捕まえようとすればするほど、手足がこんがらがって、目が覚めると汗だくで。思い出そうとしても何も浮かんでこなくて。

     爆発音。「ドカーン」

     ピカロ、飛び込んでくる。

    ピカロ どうだ?

    男   …いえ。

    ピカロ ひび1つ入っちゃいねえな。何で出来てるんだ。

    男   困りましたね。

    ピカロ バカに嬉しそうだな。

    男   いえ、ダイナマイトなんて初めてなもので。

    ピカロ バカなこと言ってないで、早く入口を探せ。

    男   へい。親分。

    ピカロ 気持ちの悪い奴だ。

     ピカロ、去る。

     男は残る。

     ダンディ、メリージェーン、入って来る。

    ダンディ   ふひー。荒っぽい事しやがるぜ。壊れちゃいないだろうな。

    ジェニファー ダンディは考古学者でもあるからね。

    ダンディ   ああ、先週からな。

    ジェニファー 開きそう?

    ダンディ   なんとか。

     扉の開く音。「ゴゴゴゴゴゴ。」

    ダンディ   開いた。

    ジェニファー いよいよね。

    ダンディ   ああ、いよいよだ。

    没台詞「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 ①

        「台詞の墓場」

    ダンディ   恐い思いさせちまったな。メリージェー…どうした?

    ジェニファー ハハハ…。今になって腰が…。

    ダンディ   おぶろうか?

    ジェニファー 大丈夫よ。

    ダンディ   へいへい。

    ジェニファー ほら行きましょ。

    ダンディ   大丈夫か?生まれたての馬みたいだぞ。

    ジェニファー 大丈夫よ。

     ジェニファー、手をつく。

     「カチリ」

    ジェニファー え?

       「カウンセリング」

    男  心がモヤモヤしているんです。何かをしなくちゃいけないと思うのですが、する気が起きなくて、目が疲れていて、背中が妙にだるくて、でも、眠たいわけじゃなくて。先生、私はどうしたら良いでしょうか?

    医者 まず、自分が満足できる事を作ってください。作れないのならば、見つけ

    て下さい。

    男  どうすれば見つかるでしょうか?

    医者 子どもの頃の事を思い出してください。何か楽しいことがあったはずです。夕方、大好きなロボットアニメを見るために息を切らして家に帰ったことや、友達と一緒に作った秘密基地。空き地で見つけて隠れた読んだHな本。いろいろあったはずです。

    男  アニメは今でも見ています。友達と作った基地は台風の日に壊れてしまって、それっきりで。H本は親にみつかって怒られて家にはおけなくなって

    …。

    医者 他にも何かあるはずです。

    男  そう言われても、何が楽しかったか…。

    医者 今、あなたの心は風邪を引いているだけです。ちゃんと治療すれば、風邪

    は治ります。

    男  薬とかは?

    医者 風邪に特効薬はありません。

    男  そんな…。

    医者 他にも何かあるはずです。楽しかった何かが。

    男  …大好きだったTVドラマがあります。

    医者 では、それを見て下さい。

    男  ないんです。近くのレンタルビデオ屋で探したんですが、あまりにマイナーなシリーズなので、おいてなくて。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 39P目。

    おっさん 元バーテン。

    若い女  以外ね

    おっさん あんたは、どんなのがカッコ良いんだい?

    男    …。

    おっさん おい。

    若い女  ねぇ、どうなの?

    男    …。

    若い女  ちょっと、自分で振っといて…。

    おっさん 寝てるのか?

    男    カッコ良い男は…。

    おっさん ん?

    男    多くを語らない。

    おっさん 自分で言っちゃったよ。

    男    面白いですか?

    若い女  うん、微妙。

    おっさん 4点だな。

    ボブ   君は何をしに来たんだい?

    男    えらく、ボロクソですね。

    医者   あの、皆さん。

     4人、医者に。

    医者   そろそろ…。

     誰かがドアをノックする音「コンコン」

                                    END?

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 38P目。

    若い女  嬉しくない事はないんだけど、やっぱり死んじゃうわけだからさ、後々重荷になってくるじゃない?新しい恋人つくる時とか。

    おっさん 以外とドライな女。

    男    …。

    おっさん まあ、カッコ良く死ぬのも難しいってことだ。

    若い女  さっきそう言ったじゃない。

     医者、入ってくる。

    医者   アイリーンはどうなったんでしょうね。

    若い女  先生、元気ない。

    男    すみません。でも、活躍したと思いますよ。

    医者   そうですか。

    おっさん しょげてるな。

    医者   では、こちらも続きをしましょうか。富井さんも仕事の方へ。

    男    あの。

    医者   はい。

    男    皆さんは、カッコ良いってどんなだと思います?

    医者   いえ、ちょっと…。

    若い女  そうね。仕草とか?

    男    仕草?

    おっさん お、仕草トークか?

    若い女  カッコ良い仕草ね。

    男    どんな仕草が良いですか?

    若い女  そうね。朝、ヒゲを剃ってる所とか好きかな?眠たそうな顔をしてるの。

    男    へェ。

    おっさん 前の晩何があったんだろうな。

    男    でも、かわいいですよね。それは。

    若い女  あ、そうね。

    男    じゃあ、富井さんは?

    おっさん 俺か?俺はあれだよ。切り立った、切り立った崖を2人のタフガイが

    登ってるんだが、ザックだかハーケンだかリュックサックが外れて、

    ピンチに…。

    男    それCMじゃないですか。

    おっさん お、おう。

    男    はあ。

    若い女  以外と子どもね。富井さん。

    おっさん おう。

    男    先生はどうですか?

    ボブ   家で、ホームバーかなんかで、シェーカーとか振ったらカッコ良いんじゃないかな。

    男    ああ、カッコ良いですね。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 37P目。

       「カッコ良い男を考える。」

    おっさん で、ダンディはどうなったんだ?

    男    分からないです。

    若い女  大好きだったんでしょう?毎週見てたって。

    男    ピカロの手下がダンディで撃たれて、そこから見てないので。

    おっさん なんでだ?消したのか?

    男    いえ、多分停電です。

    若い女  停電。

    男    ビデオデッキも全部停止しちゃって、第1話から標準で録画してたんですけど。

    おっさん そりゃあ、残念だったな。

    男    ええ。

    若い女  え、続きはどうなったの?

    男    それが、レンタルとか再放送とかそういうのは見なかったので。

    若い女  どうしてよ。

    男    なんかどうでもよくなっちゃって。

    おっさん じゃあ、ダンディがどうなったかは、分からないのか。

    男    少なくとも僕は。ただ、ダンディ・ジョーンズのシリーズは魔宮の伝説の後、何作か続いたみたいです。

    若い女  へえ。

    男    どれで結局は、ダンディ役の俳優が番組を降りると言いだして、キャストを変えて、ダンディの青春時代、若い頃のシリーズになったんですけど、やっぱり、いろんな方面に無理があったみたいで、すぐに終ったみたいです。

    若い女  なんか歯切れが悪いわね。

    男    ええ、まあ。

    おっさん ダンディはどうやって死んだんだろうな?

    男    ダンディは死ななかったと思います。

    おっさん は?

    男    死んでも、アークの力だかなんだかで生き帰るんですよ。

    若い女  ヒーローは死なない。

    おっさん カッコ良く死ぬのも難しいな。

    男    ええ。

    若い女  でも、実際、カッコ良く死なれても困るわよね。

    男    え?

    若い女  だって、男の人はカッコ良く死んで、そこで満足かもしれないけど、残された女のほうわね。

    男    どういうことです?

    若い女  んー。なんていうか。

    おっさん あれだろ?未亡人の気持ちだよな。

    若い女  そうそう。

    男    守られても嬉しくないんですか?

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 35・36P目。

    男      お前もな。ピカロ。

    ピカロ    俺もそう考えていた所だ。

    ダンディ   気が合うじゃないか。

    男      でも、根っからの卑怯者のピカロは。

    ピカロ    下がっていろ。

    男      はい。

    ダンディ   メリージェーン。良い子でお留守番出来るな?

    ジェニファー ええ。

    ピカロ    サシか。

    ダンディ   そうだな?

    ピカロ    数えるのは五つだ。

    ダンディ   望む所だ。

    男      ありがちな。5歩歩いて振りかえって撃つ。使い古されたシーンです。でも、僕は手に汗を握ってました。

    ピカロ    5。

    ダンディ   4。

    ピカロ    3。

    ダンディ   2。

     男、ダンディの前に飛びだす。

     ダンディはそれが分かっていた。撃つ。

    ピカロ  ちい!

    ダンディ 0だ!

     ダンディ、撃つ。

    男    …その時、子ども心に思いました。ジェニファーを助けたダンディはアークの力で甦るのに、ピカロを助けようとした名前のない男はどうしてアークの力で甦れないのか。すごく不公平だと思ったんです。

    ピカロ  まだまだ!

    ダンディ 往生際の悪い。

    男    結局、最終回まで、名前が出なかった男を放っておいて、話は続いていきます。

     アイリーン、入って来る。

    アイリーン そこまでよ。この周りはCIAが包囲しているわ!

    ピカロ   アイリーン!どこってたんだ!?

    ダンディ  自体が飲み込めてないようだな。

    アイリーン ピカロ。脱税の容疑がかかっているわ。おとなしくしなさい。

    ピカロ   ちくしょう!つかまってたまるか。

     ピカロ、逃げる。

    ダンディ   待ちやがれ!

    ジェニファー あ、待ってよ!

     ダンディ、ジェニファー、去る。

    アイリーン ほら、あなたも。

    男     え。

    アイリーン 逃げないの?

    男     僕はもういいです。

    アイリーン え?

    暗転

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 34P目。

    男      メリージェーン、いえ、ジェニファーが涙を流します。愛の涙です。その涙が神殿のアークに反応して、眩しい光を発するんです。そして…。

     アークが輝きだす。

    ピカロ    な、なんだ!

    男      ま、まぶしい!

     ダンディ、目を覚ます。

    ダンディ   メリージェーン。(涙で)ブラウスが濡れてセクシーだぜ。

    ジェニファー ダンディ。

    ピカロ    どういうことだ!?

    男      分かりません。奇跡としか…。

    ダンディ   少々臭いが、昔から言うだろ?愛の力は無限だと。

    ピカロ    しぶとい野郎だ。

    ダンディ   しぶといのは生まれつきでね。

     銃撃戦が始まる。

    男      いよいよ最後の決戦です。やっぱり、派手なガンアクションはカッコ良くて、夢中で見ていました。往生際の悪いピカロはしつこく、卑怯な手を使いつづけるんです。

    ダンディ   本当にしつこい野郎だ。

    ピカロ    あ、後ろに熊が!

    ダンディ   何!?

    ピカロ    嘘だ、バカ野郎!

    ダンディ   分かってるよ。

    男      ちょっとしたジョークを交えつつ、銃撃戦は続きます。

    ピカロ    おい、あの女は元気にしてるか?

    ダンディ   誰のことだ!?

    ジェニファー ダンディ、あの女って誰よ!

    ダンディ   メリージェーン。誤解だ。

    ピカロ    もてる男はつらいねえ。

    男      銃撃戦を続けるうちに話は脱線します。

    ダンディ   実際、冒険家ってのもつらい職業なんだ。

    ピカロ    そうなのか。

    ダンディ   世間の扱いはフリーターと変わらないからな。

    ピカロ    聞いてくれよ。車屋ってのも結構…。

    ダンディ   うるせえ!

    男      それで埒が開かないと思った二人はついに勝負にでます。

    ピカロ    こうしていても、始まらねえ。勝負に出たらどうだ?

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 33P目。

    男      え、だって、ボス…。

    ピカロ    俺も男だ。卑怯卑怯と言われて、あまつさえ豚野郎と言われて黙ってられるか。俺にもプライドがある。ジェニファーを放すんだ。

    男      親分…。

    ピカロ    ダンディ、ジェニファーは解放する。その変わりサシの勝負だ。

    ダンディ   信じられるのか?

    ピカロ    俺にもプライドがある。プライドがレフリーだ。

    ダンディ   良いだろう。

    ピカロ    おい。

    男      ほら。行け。

    ジェニファー ダンディ。

     ジェニファー、ダンディの所に向かう。

     ピカロ、ジェニファーの背中を銃で狙いをつける。

    ダンディ !

    男    なんて汚い男だ。ピカロは。そう、ジェニファーを解放すると言いな

    がら、ジェニファーの背中を狙ったんです。勿論、ダンディを落とし

    入れるために。

    ダンディ ジェニファー!

    男 ダンディはジェニファーに駆け寄ります。そして、素早く背中に回りこむと

    両手を大きく広げジェニファーを守るんです。

     ダンディ、ジェニファーを庇う。

    男 それを計算していたピカロは何の躊躇もなく引き金を引きます。

     ピカロ、撃つ。

     銃声。

     ダンディ、倒れる。

    男 ダンディはメリージェーンをかばっては悪役のピカロの凶弾に倒れました。あの無敵だったダンディが。愛する者を守る時、男は無敵の強さを持つと言いますが、それは同時に最大の弱さでもあると思いました。でも、この後、奇跡が起きるんです。

    ピカロ    人間の性は悪だ。

    男      やったぜ、親分。

    ジェニファー ダンディ?ダンディ?

    ダンディ   …。

    ジェニファー ダンディ。起きてよ。いつもみたいに冗談なんでしょ?だってダンディ冗談好きだモンね。ねえ、ダンディ起きて。こんな所で寝てると風邪、引いちゃうんだから。ねえ、ダンディ…。起きてよ…。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 32P目。

    ピカロ    ご覧下さい。これがこの神殿にまつわるアークです。美しいでしょう。

    ジェニファー (無視)

    ピカロ    興味ありませんか?この赤い輝きが巨万の富を与えてくれる。

    ジェニファー あんたなんか、ダンディにかかればイチコロよ。

    ピカロ    どうかな?

    ジェニファー 随分余裕ね。

    ピカロ    この構図。以前にもありましたね。

    ジェニファー そうよ。この前と一緒であなたはダンディに適わないのよ。

    ピカロ    お嬢さん。どうして私が車業界で地位を築けたと思います?

    ジェニファー ?

    ピカロ    同じ失敗をしなかったからですよ。

    男      そうだ。親分はえらいんだぞ!

    おっさん   なあ、この先どうなるんだよ。

    男      そんなに焦らなくても、今、話しますよ。

    おっさん   早く、話してくれよ。

    若い女    富井さん、せっかちね。

    男      この後、アークの間にダンディがやって来て、最後の対決になります。

    おっさん   まってました。

    若い女    ピカロの余裕が気になる所ね。

    ボブ     どうせ、卑劣な手だ。

    医者     アイリーンはまだ出てこないんですね。

     等、言いつつ、ラストの立ち位置に付く。

    ピカロ    遅かったな!ダンディ!

    ダンディ   ピカロ!

    ピカロ    ようこそ。アークの間に。

    ダンディ   ジェニファーはどこだ!

    ピカロ    安心しろ。おい。

     男、ジェニファーを連れて出てくる。

    ジェニファー ダンディ!

    ダンディ   ジェニファーを放せ!

    男      放せと言われて、放す奴がいるか。

    ダンディ   毎度毎度、卑怯だぞ。ピカロ。

    男      うるさい!騒ぐとこの女ヒドイ目に会うぞ。

    ダンディ   どこまでも卑怯な奴だ。この豚野郎め。

    ピカロ    放せ。

    男      へ?

    ピカロ    放すんだ。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 31P目。

    アイリーン あら。

    ダンディ  おお、CIA。何してるんだ?

    アイリーン 何って、ピカロの容疑が固まったから、本部に連絡を。

    ダンディ  ごくろうさん。

    アイリーン あなたこそ何をしてるの?

    ダンディ  そうだ、そんなことより、メリージェーンを見なかったか?

    アイリーン いなくなったの?

    ダンディ  ああ。そうだ良かったら一緒に探してくれ。

    アイリーン 私はピカロの一味だって言ったでしょ。

    ダンディ  厳しいね。お役所仕事は。

    アイリーン まあ、ここは魔宮だから、罠にはまっているのか、迷子になっているか、そうじゃなかったら…。

    ダンディ  なかったら?

    アイリーン あんた以外にもいるでしょ?無類の女好きが。

    ダンディ  あの豚野郎。

    アイリーン ダンディ。

    ダンディ  ん?

    アイリーン ここから先は遊びでも冗談でもすまないわよ。

    ダンディ  分かってるさ。

    アイリーン 頑張ってね。お互い生きてたらまた会いましょ。

    ダンディ  あんたもな。

     ダンディ、去る。

    アイリーン、去る。

    医者 ちょっと待って下さい。アイリーンはどこに行ったんですか?

    男  ですから、本部に連絡を。

    医者 え、じゃあ、これからダンディと対決するのに。

    男  何行ってるんですか?ここで抜けるってことは、あとで出てくるってことなんですよ。

    医者 なるほど。

    男  一方、ピカロは。

    ジェニファー 私をどうしようっての?

    ピカロ    どうもこうも、こうしてアークの間にご案内しました。

    男      ひひっ、親分こいつ上玉ですぜ。

    ピカロ    レディの前だ。上品にしろ。

    男      すんません。

    ピカロ    申し訳ない。下品な部下で。

    ジェニファー 反吐が出るわ。

    男      このアマ、親分になんて口の聞き方するんだ。

    ピカロ    良い。

    男      え、でも…。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 30P目。

    ピカロ  で、どうなったんだ?

    男    へ?

    おっさん その先だよ。どうなったんだ?

    男    でも、皆さん。戻られてからの方が。

    おっさん ケチくさいこと言わないで、話してくれよ。

    男    でも、どうせ、二回言う事に…。

     若い女、入ってくる。

    若い女    ごめんなさいね。良い所で切っちゃって。

    おっさん   まったくだ。

    若い女    何よ。自分だって。

    おっさん   じゃあ、続きだ。

    若い女    聞かせて。

    男      あ、はい。ダンディにかなわないと思ったピカロは、卑劣にもジ

    ェニファーを狙うんです。

    ピカロ    よくやった。

    男      へへ、ばっちりでさ。

    ジェニファー 私にこんなことして、ダンディが黙っちゃいないわよ。

    ピカロ    そのダンディも年貢の納め時さ。

    ジェニファー なんですって。

    ピカロ    ダンディの弱点はお前だ。

    ジェニファー あんたなんか、ダンディにかなうものですか。

    ピカロ    そういってられるのも、今のうちさ。行くぞ。

    若い女    ちょっと待って、ジェニファーはどうして捕まったの?

    男      ピカロの手下におびきよせられたんですよ。大好物のチェリーパイで。

    若い女    そんなのってあり?

    男      まあ、B級ですから。

    若い女    うう。

    ピカロ    では、行きましょうか。お嬢さん。

    ジェニファー どこによ。

    ピカロ    アークの間です。

     ピカロ、ジェニファー、去る。

    男 一方、ダンディは。

     ダンディ、入って来る。

    ダンディ  おーい。メリージェーン。どこだ?…まったくどこに。

     アイリーン、入って来る。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 29P目。

     ジェニファー、入ってくる。

    ジェニファー そこまでよ。

    ダンディ   メリージェーン。

    ピカロ    ちい。

    ジェニファー 2対1よ。

    ピカロ    勝負はおあずけか。

    ダンディ   遠慮するなよ。ピカロ。

    ジェニファー カッコ良くないわよ。ダンディ。

    ピカロ    まあ、これ以上アークに近付くな。命が惜しけりゃな。

    ダンディ   自分の立場分かってるか?

    ピカロ    分かっているさ。(お手上げ)

     ピカロ、去る。

    ジェニファー もう、心配させないでよ。

    ダンディ   悪い悪い。

    ジェニファー ダンディ。

    ダンディ   ん?

    ジェニファー 無理をしないでね。

    ダンディ   俺が無理をするのは、お前を守る時だけさ。

    ジェニファー 冗談なんだか、本気なんだか。

    ダンディ   そこに惚れたんだろう?

    ジェニファー ええ、そうね。

    ダンディ   さ、行こう。

     ダンディ、ジェニファー、去る。

    男 一方、ピカロは。

     ピカロ、入ってくる。

    男    親分。

    ピカロ  お前、どこ行ってた。

    男    すんません。ちょっと小便。

    ピカロ  この役立たずが。

    男    この男はいつもトイレに行っています。

    ピカロ  ったく、ダンディといいお前といい、いらつく奴ばかりだ。

    男    ダンディ?俺、ダンディの野郎バラしてきましょう?

    ピカロ  やめろ、馬鹿。お前が行っても返り討ちだ。

    男    へい。それじゃあ、どうしましょう。

    ピカロ  ええい、声がい大きい。お前は…。

    男    はい。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 28P目。

    若い女  へえ。

    男    それでは、話を続けますよ。

    おっさん 待ってました。

    若い女  ねえねえ、ジェニファーはどうなるの?

    男    それは最終回のお楽しみです。

    おっさん いよいよ最終回か。

    ボブ   ダンディはどのように死んだんだい?

    男    はい、それは…。

       「ダンディ・ジョーンズ」(男の解説付き)

    男    最終回はピカロとダンディが対決している所から始まります。

    ピカロ  お前はアークを何か宝物のような物と思ってるんじゃないのか?

    ダンディ 違うのか?

    ピカロ  馬鹿野郎が。

    ダンディ なんだ。どうだってんだ。

    ピカロ  冥土の土産だ教えてやろう。

    ダンディ そいつはご親切に。

    ピカロ  この魔宮を作らされた連中は、なんでも、休まず働き続けたそうだ。

    ダンディ それは知ってる。

    ピカロ  あ?

    ダンディ いいや、なんでもない続けてくれ。

    ピカロ  アークには、アークから滴り落ちる水滴には、疲れを吹き飛ばす、正確格には疲れを感じさせない不思議な力があるんだよ。

    ダンディ まさか…。

    ピカロ  そう、今で言う麻薬さ。もっとも成分は水とほんの少しのミネラルなんだがな。

    ダンディ 金の亡者か。

    ピカロ  世の中のには科学で説明出来ないことがあるんだ。

    ダンディ 科学で説明できないから税関も素通りか。

    ピカロ  「ジャングルのおいしい水」ってわけさ。この「おいしい水」を飲め

    ば、みんな、悩むことなく幸せに暮らせる。

    ダンディ 豚野郎が。

    ピカロ  豚は意外と清潔好きだ。

     ピカロ、銃を構える。

    男    珍しくダンディがピンチです。でも、2週に一回はピンチになるんです。映画なら1時間半で済みそうな内容を1クールでやるんですから。敵も大富豪一人なんです。でも、ダンディがピンチになると息を飲むんです。たとえ決着がつかないことが分かっていても。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 27P目。

    おっさん いや、この女が訳分からんことを言い出して。

    若い女  分からないのは富井さんよ。

    医者   ああ、なんとなく。

    男    ボブさん、お菓子おいしかったです。

    ボブ   喜んで貰えて、幸いだ。

    医者   富井さん、そろそろ戻らなくて大丈夫ですか?

    おっさん 大丈夫大丈夫。

    若い女  大丈夫なの?

    おっさん ああ、期待って、なけりゃないで楽なんだ。

    男    大丈夫ですか?

    おっさん 大丈夫だ。

    医者   何を話されてたんです?

    男    カッコ良い男についてです。

    医者   ドラマの話じゃなかったんですか?

    若い女  私は続きを聞きたいって言ったんだけど、皆一緒にって。

    男    折角ですから、皆さん一緒に話し方が。

    医者   すいません。わざわざ。

    男    じゃあ、話を続けましょうか?

    おっさん ところで、そのダンディってのは?どんな男なんだ?やっぱり、俺のような…。

    男    …そうですね。ボブさんが近いと思います。

    おっさん …。

    ボブ   私が?

    男    ダンディはワイルドな風貌なんです。

    ボブ   このジーンズが。

    若い女  ねえ、私は?

    男    ジェニファーです。髪の感じとか。

    若い女  だと思った。

    おっさん おい、俺はダンディじゃないとすれば、誰だ?

    男    富井さんは大富豪ピカロだと思います。

    おっさん そうだろう。このジャケットは少し高かったんだ。

    男    そのお腹の感じなんかドンピシャです。

    おっさん …。

    男    先生はアイリーン・ルウにそっくりです。クールな感じと、何しろ白衣ですから。

    医者   私がCIAのアナリストですか。

    おっさん で、あんたは?

    男    僕はピカロの手下です。スーツにネクタイなんですよ。

    おっさん ほう。

    若い女  どんな人なの?

    男    いつもどこかぬけていてピカロの足を引っ張っている。そんな役です。

     男を中心にして他の人は背景になって行くようなイメージ。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 26P目。

    「カッコ良い事を考える。」

    男    アウトドアとかで、焚き火を前にして、ブリキのカップでウイスキーを飲むんです。もちろん肴はハムや薫製です。

    おっさん それでギターなんかを弾いちゃうんだな。

    男    そんなナンパなことしませんよ。

    若い女  歌わないの?

    男    歌いませんよ。

    若い女  それじゃあ、おしゃべりするのね。

    男    言葉はいらないんです。ただ星を見て、火を見るんです。

    若い女  つまらない。

    おっさん ああ、アレだな?言葉はいらないんだな。

    男    はい。

    若い女  そのままじゃない。

    おっさん 言葉はいらないんだよ。

    若い女  何それ。

    おっさん それで、他はどんなのが良いんだい?

    男    そうですね。ハムを食べる時はナイフですね。切り分けたりしないで、ブスリとさして。ほら、あの「ラピュタ」でシータとパズーが軍隊につかまった後、パズーが家に帰ってきたら空賊がご飯食べていて、女親分、ドーラが食べてたみたいに。

    若い女  長いわ。

    おっさん あんた、ジブリ好きだな。

    男    へへっ。

    若い女  「へへっ。」って。

    男    ああ、ジブリと言えば…。

    おっさん ああ、もうあんたの言う通りだ。

    若い女  ねえねえ、車庫入れの時とかカッコ良くない?

    男    え?

    若い女  バックする時の、ホラ、こう…。

    男    え、いや、そういうのはちょっと…。

    若い女  えー、どうして?

    おっさん バックミラー、使えば良いじゃねえか。

    若い女  使わないの。

    おっさん どうしてだ?

    若い女  使わない方がカッコ良いからよ。

    おっさん じゃあ、何か?車メーカーは男をカッコ悪くしたいがために、バックミラーを着けていると言うのか!?

    男    いや、なんで怒っているんですか?

     医者、ボブ、入ってくる。

    医者   どうしたんですか?大きな声を出して。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 25P目。

    医者 それでは、その話をして行きましょうか?

    男  あ、はい。

     おっさん、若い女入ってくる。

    若い女  お茶入ったって。

    おっさん 俺が腕によりをかけたから、うまいぞう。

    若い女  見てただけじゃない。

    おっさん 頑張って見てたんだ。

    男    ボブさんは?

    若い女  お茶菓子探している。

    おっさん 小麦粉買いに行く、勢いだったけどな。

    医者   あの。

    男    はい。

    医者   こちらは?

     暗転

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 24P目。

    アイリーン そこで私は表向きは脱税の調査で潜入したの。まさかこんなジャングルまで連れて来られるとは思ってもみなかったけど。

    ダンディ  なるほどな。だいたいあんたの目的は解ったけど、どうして白衣なんだい?

    アイリーン こだわるわね。

    ダンディ  コスプレか?

    アイリーン 糖尿なのよ。

    ダンディ  !…そいつはお気の毒になんて言って良いか。

    アイリーン ピカロがよ。

    ダンディ  ああ、なーる。

    アイリーン どう?分かった?

    ダンディ  ああ。理解した。

    アイリーン だったら、その物騒なものは下げてくれないかしら。

    ダンディ  いいや、それは出来ない。

    アイリーン 何故?

    ダンディ  CIAもアークを狙っている。そうだろ?

    アイリーン 考えすぎよ。

    ダンディ  じゃあ何故、ピカロはアークを狙っている。それなら分かるだろ。

    アイリーン 私は一応、ピカロの手下よ。

    ダンディ  俺のは女性に優しいんだが、時には手のつけられない獣になるんだ。

    アイリーン 魔宮が作られた時、作業をさせられた奴隷達は、休まず働いたそう

    よ。

    ダンディ  日本人みたいだな。

    アイリーン 私に言えるのはそれだけよ。

     ジェニファー、入って来る。

    ジェニファー ダンディ、足、早過ぎ…!

    ダンディ   心配ない。このお姉さんは正義の味方だ。

    アイリーン  どうも。

    ジェニファー そうなの?

    ダンディ   ああ。先に行くぜ。

    アイリーン  どうぞ。

    ジェニファー あ、待って。

     ダンディ、去る。

     アイリーン、去る。

     男、入って来る。

    医者 何か見つかりましたか?

    男  あ、はい。大好きだったTVドラマがあります。

    医者 TVドラマ?

    男  タイトルは「ダンディ・ジョーンズ魔宮の伝説」って言います。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 23P目。

    に嘘をついてなかったか?押し殺した感情はなかったかどうか、等です。

    男  楽しめることとは?

    医者 自分を分析するというのは、精神的には勿論、肉体的にもつらい作業です。それに専念しすぎると、症状をさらに深めるという場合もあります。

    男  え?

    医者 ですから、休憩出来るリラックス出来る環境を整えておくために…。

    男  離れて!

    医者 え?

     爆発音。「ドカーン」

     ピカロ、飛び込んでくる。

    ピカロ   どうだ?

    男     …いえ。

    ピカロ   ひび1つ入っちゃいねえな。何で出来てるんだ。

    男     困りましたね。

    ピカロ   バカに嬉しそうだな。

    男     いえ、ダイナマイトなんて初めてなもので。

    ピカロ   バカなこと言ってないで、早く入口を探せ。

    男     へい。親分。

    ピカロ   気持ちの悪い奴だ。おい、頼んだぞ。

    アイリーン はい。

     ピカロ、去る。

     男、去る。

     アイリーン、通信機か何かで、連絡をしようとする。

     ダンディ、入って来る。

       「アイリーンの正体」

    ダンディ  こんな辺鄙な所で、アンテナは立ってるかい?

    アイリーン あなた。

    ダンディ  相手は、あのおっさんじゃないよな。何者だあんた。

    アイリーン 宇宙人って言ったら信じる?

    ダンディ  まさか。

    アイリーン じゃあ、CIAの諜報員。

    ダンディ  CIAにも美人がいたもんだ。

    アイリーン ありがとう。

    ダンディ  どうもおかしいと思ったんだ。こんな秘境に白衣姿の女がいるなんてな。

    アイリーン ピカロは大富豪として有名だけど、裏の世界でも有名なの。麻薬、

    密輸なんでもありよ。

    ダンディ  有名な話だ。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 22P目。

    男    あ、カッコ良い男の生き方、つまり死に方というか僕が子どもの頃好きだったTV番組の話をしてたんです。

    若い女  何の話?

    おっさん 面白そうだろ?

    若い女  ねえねえ、何の話なの?

    男    TVです。TVの話です。

    若い女  TV局の人?

    おっさん なんだそりゃ。

    男    あ、僕はですね。見ての通り、会社員…。

     医者、入って来る。

       「カウンセリング」

    男 沢山本を読んだ後とか、すごく疲れた後とか、嫌なことがあった時、体調を崩した時。頭の中がグルグルまわっていて、次から次へと言葉が、単語が、いろんな人の声で浮かんできて。何を言っているのか聞こうとして、聞こえなくて思い出そうとしても何も浮かんでこなくて。です。何かをしなくちゃいけないと思うのですが、する気が起きなくて

    医者 「しなければ行けない」という感覚を忘れて下さい。

    男  え?

    医者 焦れば焦るほど、悪い方向に進んでしまいます。

    男  では、どうすれば良いでしょうか?

    医者 楽しめることを見つけて下さい。

    男  楽しめる事。

    医者 子どもの頃の事を思い出してください。何か楽しいことがあったはずです。夕方、大好きなロボットアニメを見るために息を切らして家に帰ったことや、友達と一緒に作った秘密基地。空き地で見つけて隠れた読んだHな本。

    いろいろあったはずです。

    男  アニメは今でも見ています。友達と作った基地は台風の日に壊れてしまって、それっきりで。H本は親にみつかって怒られて家にはおけなくなって

    …。

    医者 他にも何かあるはずです。

    男  そう言われても、何が楽しかったか…。

    医者 今、あなたの心は風邪を引いているだけです。ちゃんと治療すれば、風邪

    は治ります。

    男  薬とかは?

    医者 風邪に特効薬はありません。

    男  そんな…。

    医者 実際、薬はあります。しかし、それらは1時しのぎでしかありません。

    男  ではどうすれば?

    医者 先ず、自分に向き合い、今の自分の理由を突き止めて下さい。自己分析です。嫌だったこと、つらかったこと、その時、自分はどうだったか?自分

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 21P目。

    話しているよ。

    男  …。

    ボブ それではしばらく…。

     ボブ、去る。

     男、待つ。

     おっさん、入って来る。

    おっさん お?

    男    あ。

    おっさん ここのか?

    男    あ、はい。始めまして。

    おっさん おおおおおお。

    男    今、お茶入れに行かれてるんですよ。

    おっさん そうかそうか。

    男    はい。

    おっさん で、何を話してたんだ?

    男    あ、今、カッコ良い男の生き方、つまり死に方というか僕が子どもの 頃好きだったTV番組を…。

     若い女、入って来る。

    若い女  あ。

    おっさん お。

    男    あの、ここの?

    若い女  あ、はい。

    男    なるほど、バラエティに富んでますね。

    おっさん・若い女 ?

    若い女  それより、仕事ほっぽりだして。

    おっさん 少しくらい休憩した方が良いんだ。

    若い女  ほんとに。

    おっさん それより、このお兄さんがおもしろい話をしてくれそうだぞ。

    若い女  あ、始めまして。

    おっさん まあ、君も仕事を一時忘れて、ティータイムにしようじゃないか。お

    茶も来るみたいだしな。

    若い女  …。

     若い女、座る。

    おっさん こいつもさぼりたいんだ。

    若い女  お茶飲むだけよ。

    おっさん いいわけ。

    若い女  で、何を話してたんですか?

    2012年8月25日土曜日

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 20P目。

    男  はい。

    医者 次に、今自分はどうあるのか?どうなりたいのか?そうなるのに必要なこ

    とは何か?等遠い所から具体的なことを紙に書き出してください。

    男  はい。

    医者 1度にやっつけようとせず、一つずつ、ゆっくりとです。自分のペースで。

    男  ゆっくりとですか。

    医者 はい。それは1日にひとつかもしれないし、1年にひとつかもしれません。

    男  そんな悠長なこと言ってたら会社クビになりますよ。

    医者 そしたら、今いる会社はあなたにあっていないということです。

    男  そんな…。

    医者 先ず、あなたはどうなりたいですか?

    男  …。

    医者 難しく考えないで、例えば幼稚園児の夢のように単純で漠然としたもので。

    男  …僕はカッコ良く生きたいです。

     ボブ、入って来る。

    ボブ カッコ良く死ぬ?

     医者、去る。

    男  はい。死ぬ時はカッコ良く死にたいんです。

    ボブ というと?

    男  はい。中学の時に友達と語りあったんですよ。男の行き様について。

    ボブ それは熱いな。

    男  といっても、どうやったらモテルだろうかっていう延長ですけど。

    ボブ ははあ。

    男  その時も話になったのはカッコ良く死ぬことです。「老衰なんてまっぴら

    だ。」って感じで。

    ボブ それで、その時はなんと?

    男  はい。戦闘機に乗って歌いながら敵艦隊に突っ込んで行くとか。あ、勿論

    宇宙です。あと、仲間を救うために、単身敵要塞に突入するとか。あとま

    あ、敵とですね。熱い戦いの末に…。

    ボブ 敵だらけだ。

    男  はい。

    ボブ それで、君は?

    男  ちょっと青臭くて恥ずかしいんですが。

    ボブ 大体想像はつくね。

    男  愛する女性を守って死にたいな。と。

    ボブ やっぱり。

    男  子どもの頃大好きだった。TV番組があるんですよ。「ダンディ・ジョーン

    ズ」。そのダンディみたいな死に方だったら…。

    ボブ まあ、落ち着いて、その話は後でするとして、休憩をしよう。もう、随分、

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 19P目。

    ジェニファー あ、まってよ。

     ジェニファー、去る。

    男     行かなくて良いんですか?ピカロさん怒りますよ。

    アイリーン 今怒っているから、行っても怒鳴られるだけよ。

    男     それはそうですけど…。

    アイリーン 不安なの?

    男     それは、不安ですよ。

    医者 不安なのは分かります。でも今は良くなることだけを考えてください。

    男  は?

    医者 会社のこともとりあえずは忘れましょう。

    男  そういうわけには。

    医者 あせらないで、ゆっくり話ましょう。

    男  でも、このままじゃクビに…。

    医者 うちはバラエティに飛んだ色んなカウンセラーがいます。

    男  バラエティですか。

    医者 それでは始めましょうか。まず、は、やはり会社のことから。

    男  …はい。

    医者 お仕事が終って何か感じたことなどは?

    男  感じたこと?

    医者 考えたこと等。

    男  考えたこと…。

    医者 何かありませんか?

    男  パーティがあったんです。

    医者 パーティ?

    男  はい。その、仕事が終って、打ち上げみたいな。

    医者 ああ。

    男  その時に思ったんです。自分は大きな会社の一部でしかないって。私には

    上司がいて、その上司にも上司がいて、最終的には会長がいて。でもその

    会長もトップではなくて…。

    医者 分かります。

    男  そんなことを酔った頭で考えてました。それで…、次の日起きると。

    医者 会社に行きたくなくなった。

    男  はい。その時から何かがずれてしまったんです。お腹が空いても食欲がな

    くて、お腹が空きすぎて起き上がることが出来なくて。何を食べたかも希薄で。明日は本当に明日なのか?昨日は昨日なのか?明日は昨日なんじゃないかって分からなくなったんです。

    医者 それで、力が入らなくなった。

    男  はい。考えれば考えるほど分からなくなるんです。

    医者 まず、今ある自分を受け入れる事が大事です。迷っている自分。悩んでい

    る自分。焦っている自分。焦ってない自分。全てを今ある自分と容認して

    下さい。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 18P目。

     ダンディ、銃を構える。

    ピカロ    おいおい、分かってるのか?2対1だ。こっちにはお前の大切な

    メリージェーンがいるんだぜ。

    ジェニファー ジェニファーよ。

    ダンディ   ジェニファー。俺と一緒なら死ぬのも恐くないだろ?

    ジェニファー ダンディ。ちゃんと名前を呼ぶのはこう言うときばかりね。

    ダンディ   そこに惚れたんだろ?

    ピカロ    お前等、勝手に盛りあがるんじゃねえ。ダンディ!分かってるの

    か?お前が撃てばその瞬間、この女の頭はズドンだ。そしてお前

    はこいつ(アイリーン)がしとめる。

    ダンディ   俺の方が早いさ。

    ピカロ    おい、ダンディ。映画なんかじゃ、一発撃たれたらワルモンは

    死んでくが、あれはフィクションだ。死ぬまでに引き金くらいは

    引けるんだ。

    ダンディ   知ってるさ。

    ピカロ    …これは脅しじゃねえぞ。

    ダンディ   やれよ。

     間

    ピカロ    …バ、バカバカしい!ホレ!女は返してやる。

    ダンディ   どうも。

    ジェニファー ダンディ。

    ダンディ   メリージェーン。大丈夫か?

    ジェニファー もう…。

    ピカロ    ダンディ、次は撃つぜ。2回目はない。

    ダンディ   楽しみにしてるよ。

    ピカロ    おい、引き上げるぞ。

    アイリーン  はい。

    男      あ、ハイ。

    ピカロ    グズグズするな!

     ピカロ、去る。

     アイリーン、男、残る。

    ダンディ   行かなくても良いのかい?

    アイリーン  あなたには関係無いわ。

    ダンディ   それじゃあ、お先に失礼するよ。

     ダンディ、去る。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 17P目。

    男    いえ、お茶入れて来るって、随分帰ってこないんですけど。

    医者   ああ。

    おっさん お茶っ葉買いにいってるんだよ。

    男    そんなベタな。

     ボブ、入って来る。

    若い女  ボブ。

    ボブ   お茶っ葉買いに行った。

    男    …。

    若い女  じゃあ、私、入れてくるね。

    おっさん いや、俺に任せてくれ。得意技だ。

    医者   富井さん、そんなに帰りたくないんですか?

    おっさん まだ、話が途中なんだ。気持ち悪いだろ。

     とか、言いながら様々に動きだす。

    ボブ     メリージェーン!

    男      は?

    ジェニファー ダンディ!

    ピカロ    おっと、そこまでだ。ダンディ・ジョーンズ。

    ダンディ   メリージェーンを放せ!

    ジェニファー 私はジェニファーよ。ダンディ。

    男      あの、ちょっと、何を?

    ダンディ   壁を崩したと思ったら、今度はカドワカシか!

    ピカロ    お前が勝手に罠にはまったんだろう。

    ダンディ   なんだと!

    ジェにファー ピカロの言う通りよ。ダンディ。

    ダンディ   そんな、メリージェーン。

    ピカロ    動くんじゃねえ!

    ダンディ   おおっと、慌てなさんな。

    ピカロ    分かりゃ良いんだよ。おい。

    アイリ―ン  はい。

     アイリ―ン、ダンディに銃を向ける。

    ピカロ    お前もだ。

    男      へ?

    ピカロ    何やっている。早くしろ。

    男      あ、えと持ってません。

    ピカロ    ええい、邪魔臭い。これを使え。

    男      あ、いや…。

    ダンディ   そこまでだ。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 16P目。

    医者   またいらしてたんですか?

    男    また?

    医者   ええ、しょっちゅう仕事を抜けだして来るんですよ。この人。

    若い女  リストラされないのが不思議ね。

    おっさん ああ、俺もそこが不思議なんだ。

    男    ちょっと、待って下さい。こちら、先生じゃ?

    医者   違いますよ。

    男    え、だってバラエティに富んだって。

    医者   この方は違います。

    おっさん 富井です。始めまして。

    男    え、じゃあ、こちらの女性は?

    若い女  あ、私はここの事務員ね。

    男    …そんな。てっきり先生だと。

    医者   何か大切なこと話されたんですか?

    男    いえ。

    おっさん 大丈夫だ。この人の好きだったTVの話をしてただけだ。

    医者   それなら良いですけど、紛らわしいことは止めて下さいよ。

    おっさん へい。今後は。

    医者   すみませんでした。ちゃんと話しておけば良かったですね。

    男    いえ、良いんです。別に話してて楽しかったですから。

    おっさん 悪かったな。青年。

    男    …あの、富井さん。ひとつお聞きしてもよろしいですか?

    おっさん なんだ、あらたまって。

    男    お仕事、副部長ですか?

    おっさん は?

    男    あ、いえ、なんでもないです。忘れて下さい。

    おっさん 訳分からんな。

    医者   とにかく、富井さんも自分の仕事場に戻って下さいね。ここは職安じ

    ゃないんですから。

    男    ブラックですね。

    おっさん へい。

    医者   ほら、あなたも。

    若い女  はーい。

    男    あ、先生。そう言えば先生が。

    医者   はい?

    男    いや、あの、インディアンの。

    医者   ああ、ボブが何か?

    男    ボブさんっていうんですか?

    医者   はい。紹介しませんでしたか?

    男    いや、初めてです。

    医者   じゃあ、今紹介しましょう。ボブって言います。

    男    はあ。

    医者   ボブが何か?

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 15P目。

    男    正直、子ども頃はそれがギャグだとは思いませんでした。

     明転

    おっさん 確かにこにくいギャグではあるな。

    若い女  意味は分からないはね。「提供」って言われても。

    おっさん まあ、確かにな。

    男    壁が崩れてきて、何が起きるんだろうと思ってドキドキしていると「提

    供は…」ですからね。

    おっさん こにくいねえ。

    男    でも、今は思うんですよ。あれは子どもが夢中になりすぎないように

    番組側が配慮したんだと思うんですよ。

    おっさん なるほどな。

    若い女  で、そのダンディがどうしたの?

    男    え?だから子どもの頃にはそのギャグが分からなくて。

    若い女  そうじゃなくて。ダンディ・ジョーンズがどうしたのかって。

    男    なんの流れでしたっけ?

    おっさん なんかカッコ良い男の話じゃなかったか?

    男    そうです。ダンディがカッコ良いんですよ。カッコ良い男。

    若い女  随分、話が長かったわ。

    男    すみません。脱線してました。

    若い女  まあ、良いけど。

    男    じゃあ、脱線ついでに。お2人はカッコ良い男って、どんな人だと思

    います?

    若い女  え?カッコ良い男?

    おっさん その男はかなり良い線いってたんだ。

    若い女  語りだした。

    男    どんな人だったんですか?

    おっさん 一見、寝間着ともとれる服を着ていて、首にはキャメラをぶら下げて

    いて、こんなサングラスをかけている上に、肌の感じは梅宮辰夫を思

    わせるんだ。

    男    そいつはすごい。

    若い女  カメラ、下げてたの?

    おっさん ああ、桜の季節だったからな。プロだなありゃ。

    若い女  へえ。

    おっさん どうなんだ?女としては、やっぱそういうのシビレルのかい?

    若い女  まあね。

     医者、入って来る。

    医者   随分楽しそうですね。

    男    あ、先生。

    おっさん へへ、先生どうも。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 14P目。

    男      !

    ジェニファー キャ!

     ダンディ、銃を向ける。

    ダンディ   またお前か。

    男      ひい!

    ダンディ   動くな。こいつが見えねえのか?

    男      ・・・。

    ダンディ   ん?

     男、タバコをくわえる。

    男      あの、先生は?

    ダンディ   先生?ああ、先生さんなら向こうだ。早く行っちまえ。

     男、去る。

    ジェニファー 変な人。

    ダンディ   ああ、どこにでも役立たずはいるもんだ。

    ジェニファー 私達も行きましょ。あの人達戻ってくるかも。

    ダンディ   ああ。しかし、なんせ魔宮だ。慎重に慎重を重ねて…。

     ダンディ、進む。

     「カチリ」

    ダンディ   え?

     壁等が崩れる音。

     「ガラガラガラガラ…」

    ダンディ   な、なんだ。

    ジェニファー な、何?

    ダンディ   地震か?

    ジェニファー ダンディ、上!

    ダンディ   何!

     「ガラガラガラガラ…」

     暗転

    ダンディ   提供は…。

     「ガラガラガラガラ」

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 13P目。

        「ダンディ・ジョーンズのシーン。」

    ダンディ   畜生!真っ暗だ。

    ジェニファー どういうことなの?ダンディ。

    ダンディ   俺にも分からねえ。急に扉が。

    ジェニファー 何か、灯りはないの?

    ダンディ   今探している。

     明るくなる。

    ダンディ   おお!

    ジェニファー 勝手に明るくなった。

    ダンディ   流石、魔宮だな。サービス満点だ。お茶でも出てこないか?

    ジェニファー 何呑気な事言ってるの。

     ピカロ、アイリーンの声がする。

    ピカロ    よりによってあいつらに先を越されるとは、どういうことだ。

    アイリーン  すみません。やたらすばしっこい奴で。

    ピカロ    おい、もう1人はどうした。

    アイリーン  え?

    ピカロ    いないだろ。

    アイリーン  おかしいな。さっきまでいたのに。

    ピカロ    全く、どいつもこいつも。

    アイリーン  すみません。

    ピカロ    おい。お前等を雇ってるのは誰だ?この大富豪ピカロ様だろうが。

    いいか、忘れるな。俺の後ろにはピカロ財閥がついているってこ

    とをな。

    アイリーン  すみません。厳しく言っておきます。

    ピカロ    お前もだ。

     ピカロ、アイリーン、去る。

    ダンディ   まるで自己紹介だぜ。

    ジェニファー ピカロってあの車会社の?

    ダンディ   ああ。裏で密輸やら黒いことを山ほどしているっていう噂だが、

    まさか遺跡荒しもやってるとはな。

    ジェニファー 悪そうな顔してたもんね。

    ダンディ   まったくだ。

    ジェニファー 早く行きましょ。

    ダンディ   ああ。

     さえない男、入って来る。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 11・12P目。

    か希薄で…。お腹が空き過ぎて、朝起きれないような、体がいつもふわふ

    わして、何をしても楽しくなくて、ただ時間だけが過ぎて行って…。昔は

    自分がハッキリしていた、それだけは分かるんですけど、それでも体に力

    が入らないんです。考えても分からなくて。

    ボブ それで、答えはでそうなのかな?

    男  それなら、ここには来ませんよ。

    ボブ 確かに。

    男  分からないんです。どう生きるかなんて考えたこともなかったで。

    ボブ じゃあ、死ぬ事を考えてみようか?

    男  え。

    ボブ 人間誰しも死ぬ。死ぬために生きているとも考えらるね。

    男  まあ、それはそうかも知れませんけど、ちょっと物騒ですね。

    ボブ 死はいつも我々のまわりにいる。死を恐れてはいけない。恐れれば、それ

    は光よりも速い速度で向かって来るだろう。恐れなければ、それは、優し

    く見守っているだけだ。

    男  はあ。

    ボブ 死は終点ではない。そこを過ぎればまた新しい死が…。

    男  あの。

    ボブ 何だ?

    男  これ、カウンセリングですよね。

    ボブ そうだが?

    男  いや、なんというか宇宙的で広大と言うか…。

    ボブ ああ、すまなん。ちょっと脱線していたね。

    男  はい。口調も変わってました。

    ボブ いけない。悪い癖だ。

    男  癖なんですか?

    ボブ やはり私の中に流れている血が。うずくと言うか。

    男  はあ。

    ボブ どう死ぬかというのはあくまで例えで、考えても分からないときは考えて

    みようか、と、そういうことです。

    男  なるほど。

    ボブ まあ、それでも分からない時は考えて考えて考えて、それでも分からない

    時は考えるのをやめる。

    男  ジブリですか?

    ボブ はい。

    男  確信犯!?

    ボブ お好きなんですか?

    男  はい。子どもの頃良く見てました。

    ボブ 私は今でも見てます。

    男  日系ですよね?

    ボブ では、本題に戻ろうか。どう死ぬか…あ、いや、どう生きるかだったね。

    男  …。

    ボブ …。

    男  …。

    ボブ …少し休憩を挟もうか?こういったことは焦らないことが大切だし。喋り

    っぱなしで、喉も乾いただろう。

    男  …死ぬのなら。

    ボブ ん?

    男  死ぬのなら、カッコ良く死にたいです。

     暗転

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 10P目。

    男  バラエティってそういうことだったんですか?

    医者 どう思ったんですか?

    男  いや、それは…。

    ボブ 正確にはカウンセラー見習だね。

    男  どういうことですか?

    ボブ 私は部族でヒーラーという役職についてるんだ。

    男  はあ。

    医者 日本で言う所のカンセラーに近いものです。

    男  そうなんですか。

    ボブ 西洋の医学は薬物や外科手術を施すことで、回復を図るが、我々、ヒーラ

    ーは患者の心に直接働きかける事で、心の問題も含めて、回復を図ろうと

    するというわけだ。

    男  というわけですか。日本語お上手ですね。

    ボブ なんでも、話して、くれ。どうぞ。

    男  急に片言になってませんか?

    医者 どうですか?本物のインディアンと話せる機会なんて、そうありませんよ。

    男  いや、そういうのはちょっと。

    ボブ なんでも話して。気さくに。

    男  そうですか…。それじゃあ。

    ダンディ  ちくしょう。二人がかりか。

    男     は?

    アイリーン 女の子を先に返したのは残念だったわね。

    ダンディ  全くだ。

    男     あの、二人がかり?え?

    医者    そうですね。それでは私は一時退散しましょう。おねがいします。

    ボブ    ああ。

     医者、去る。

    ボブ どうかした?

    男  あ、はい。

    ボブ 最近、どうだい?

    男  え?

    ボブ 何を食べたとか、どんなことを考えたとか。

    男  …食べたのは昨日の晩は野菜炒めを食べました。

    ボブ 私も好物だ。

    男  考えるのは…。家にいて、動かないものですから、いろんなことを考えて

    しまって。

    ボブ 続けて。

    男  はい。自分はどうして生きてるんだろうか?生きる目的みたいなものです。

    ボブ うん。

    男  前はそんなことなかったんです。考えなかったんです。そんなこと。何も

    かも曖昧で。自分が生きているのかどうなのか?どこにいるのかもなんだ

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 9P目。

       「ボブ登場」

    医者 彼はインディアンです。

    男  は?

    ボブ よろしく。

    男  あ、よろしく…って、いや、先生、大変ですよ。廊下にコレが…。

    医者 ああ。

    ボブ それは、私のものだ。探してたんだ。すまないね。

    男  探してましたって、これ、拳銃…。

    ボブ ライターだよ。

    男  ライター。

     ボブ、拳銃型ライターをつけてみせる。

    男  ああ。

    ボブ ありがとう。

    男  いえ、どういたしまして。…先生、こちらは?

    医者 さっき紹介しましたよ。

    男  慌てたもので。その、銃に。

    医者 それじゃあ、もう1度、彼はインディアンです。

    男  インディアン。

    医者 はい。

    男  どう見ても、ジャパニーズにしか見えませんが。

    ボブ 日系だな。

    男  え、日系のインディアンっておかしいんじゃ…。

    医者 彼はインディアンです。

    ボブ 日系だな。

    男  …はあ。

    ボブ よろしく。

    男  よろしくお願いします。

    医者 では…。

    男  あの、そちらのインディアンの方は…。あ。

    医者 どうしました?

    男  インディアンって確か差別表現でしたね。ネイティブアメリカンって。

    ボブ 気にしないで。少なくとも日本の方に、君に、そう言われるのは気にしな

    いから。

    男  そうですか。

    ボブ ああ。

    医者 で、何か?

    男  そちらの方はどういった?

    医者 彼もカウンセラーですよ。

    男  あ、そうなんですか。

    医者 バラエティに富んでるでしょ?

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 8P目。

     ピカロ、去る。

     アイリーン、反対方向に向かう。

     ダンディ、ジェニファー出てくる。

    ダンディ お嬢さん、ちょっと失礼。

     ダンディ、銃を向ける。

    アイリーン  !

    ダンディ   メリージェーン。向こうへ行ってろ。女の子には少々刺激が強い。

    アイリーン  あら、私も女よ。

    ダンディ   確かに。だが、あんたは強い女だ。…メリージェーン。

    ジェニファー ええ。

     ジェニファー、去る。

    ダンディ  さて、あんた達は何者かな?教えてくれないか?

    アイリーン 名を名乗るのは自分からってのが世の中の常識よ。知らなかった?

    ダンディ  知ってるさ。俺の名はダンディ。冒険家だ。いや、冒険野郎だ。

    アイリーン 私は見ての通り医者よ。アイリ―ン。アイリ―ン・ルウ。風土病の

    研究のためにここに来てるの。

    ダンディ  スカートの下のモノは研究には必要無いんじゃないか?

    アイリーン 護身用よ。あなたのような人から身を守る為にね。

    ダンディ  それじゃあ、さっきのおっさんは博士か何かかい?

    アイリーン まあ、そんなところね。

    ダンディ  何が目的だ。魔宮には何がある?

    アイリーン あなたには関係無いわ。

    ダンディ  俺のは女に優しいが、こいつ(銃)はそうでもないんだ。

    アイリーン 下品なジョークもステキよ。

    ダンディ  ありがとう。

    アイリーン でもそれは下ろしてくれないかしら?緊張して話せないわ。

    ダンディ  どっちを下ろせばいいんだい?

    アイリーン しつこいと嫌われるわよ。

    ダンディ  Ok。さあ、言ってくれ。お前達は何を…。

     さえない男、飛び込んでくる。手には銃。

     ダンディ、アイリーン、さえない男の方を見る。

    完成上演済み脚本「ダンディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」Ver.2.01 7P目。

       「ジェニファー登場」

     ダンディ、入って来る。

     ダンディが入って来た瞬間に医者はアイリーンになる。

    ダンディ、隠れる。

    ダンディ ダンディだ。今、隠れている。相手は女が1人だが、油断は禁物だ。

     ジェニファー、入って来る。

    ジェニファー ダンディ、大丈夫?

    ダンディ   お、メリー・ジェーン。どうしたこんなところに?

     アイリーン、ダンディとジェニファーの方を見る。

    ダンディ   ニャー。

    アイリーン  なんだ猫か。

    ジェニファー しー。気をつけてよ。

    ダンディ   すまない。

    ジェニファー それと私の名前はジェニファー。何度言えば分かるのよ。

    ダンディ   ああ、すまない。なんでこんな所に?

    ジェニファー あなたを助けに来たのよ。

    ダンディ   そうか、そいつはありがたい。

    ジェニファー 今、どんな感じ?

    ダンディ   見ての通りだ。銃を持ってやがる。迂闊に動けないんだ。

    ジェニファー あなたはいつも危険と隣り合わせね。

    ダンディ   そこに惚れたんだろ?

    ジェニファー そういうこと言う?

    ダンディ   お。

     ダンディ、ジェニファー、身を潜める。

     ピカロ、入って来る。

    ピカロ    どうだ見つかったか?

    アイリーン  いえ、この辺にいると思うのですが。

    ピカロ    本当に見たんだな?

    アイリーン  はい。間違いありません。

    ピカロ    畜生。俺達以外にもアークを狙っている奴等がいるって事か。…

    おい、もう1人いただろ。

    アイリーン 今、もよおしたって。

    ピカロ   使えねえ奴だ。俺は向こうを探す。お前はあっちだ。

    アイリーン はい。

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