■ すぐに作れるって。探したら『お手軽タイ料理の素』とか売ってるだろ。
★ 売ってるのか?
■ 売ってるって。鍋の素だけでも、これだけ種類があるんだから。
★ そうか。
インターホンの音
■ おっ、来たな。
★ はいはい。
★、玄関に向かう。
★ おお、上がって上がって。
● お待たせ、ゼエゼエ。
★ ずいぶん早かったな。
● いやさ、米が重かったからダッシュで来たよ。
★ へ?
● いやさ、重い荷物って嫌だろ。
★ ああ。
● だから、ダッシュ。
★ はい?
■ だから、あれだろ?嫌なことはさっさとすませたいんだろ?
● うん、僕次男だから。
★ 次男関係あるのか?
■ しかし、ずいぶん疲れてるな。
● なんせ、全力だったから。
★ こんなもんかついで全力で走ったら疲れるって。
● あー、しんどいゲロ吐きそう。
★ おい、大丈夫か?
● 水ちょうだい、水道水。
★ 分かった。
★、台所に向かう。
■ 米かついで街中突っ走ってどうだった?
● …正直、ちょっと恥ずかしかった。
■ だろうな。
★、戻ってくる。
★ はい、水道水。
● サンクス。…カルキ臭いな。
■ そりゃ、お前、暑い時はバクテリアとか増殖するから、それを抑えるためにカルキ臭くなるんだよ。
★ 説明臭いな。
● ゴクゴクゴクゴク…。
★ 飲むの?
● プ八ッ!ナイスカルキ。
★ …ああ、ありがと。
● お米買ってきたよ。